2024年 4月 19日 (金)

大津いじめ自殺加害生徒ヤクザ顔負け―京都転校後も集団リンチで警察聴取

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男子生徒5人と女子生徒1人で男子生徒を袋叩き

   滋賀県大津市の市立中学2年生が昨年10月(2011年)に自殺したのは、同学年の3人組グループによる陰惨ないじめが引き金になったのではないかという見方が強くなってきているようだ。いじめを見て見ぬ振りした担任、学校校長や教育委員会、教育長の無責任な対応、大津市長のコロコロ変わる態度に非難が集まっている。

   おまけに加害者の実名や顔写真がネット上で公開され、その一部がガセだったことで、全く関係ない人物が「加害者の祖父」と名指しされ騒ぎになった。

   「週刊新潮」と「週刊文春」がかなりの誌面を割いてこの問題をやっているが、新潮に驚かされる記述がある。6月(2012年)中旬、京都市宇治市のほぼ中心に位置する「神明皇大神宮」の奥まった一角で、中学3年の男子生徒5人と女子生徒1人が1人の男子生徒を袋叩きにしていた。ヤクザ顔負けの悪質極まりない集団リンチ事件を起こしたメンバーのうち、茶髪の生徒は大津いじめ事件の加害生徒の一人で、この4月からこっちの学校に転校してきたというのだ。事件は宇治署に被害届が出され、生徒の事情聴取がすすんでいるそうである。

   新潮の記事には大津市の中学校名も校長名も実名で出ている。新潮側はその理由をこう書いている。

「ほとんどの新聞が中学名や校長の名前を書かないのはどうしたことか。学校名が明らかになると、加害生徒が特定される恐れがある、と懸念してのことなのかもしれないが、過ぎた配慮というべきだろう」

   さらに、これほどひどいいじめをした加害少年たちに、こう引導を渡している。「目下、加害生徒には遺族の心情を理解しようという姿勢すらない。3人に事件を直視させ、深く反省させるには、少年院に送るしかあるまい」

   これが大人の良識というものなのかもしれないが、彼らを厳しく処したとしても、いじめがこの世からなくなるわけではない。文春では教育評論家の尾木直樹がいじめ問題でこう語っている。「当たり前のモラルを当たり前に子供に言えるかどうか。厳しい言い方をすれば、親の『生き方』が問われているのだと思います」

   また、夜回り先生といわれる水谷修はこういっている。「わが子がいじめをしているとわかったら、とにかく被害者の家に足を運んで謝りに行くこと。殴ったとかお金を取ったということまでわかっているなら、自分で警察まで連れて行く。そこできちんと説明をして、『自分の指導の責任だ。申し訳ない』と自ら謝る。そこまですれば、子供にも伝わります」

   今回の事件を見ていても、大人たちの無責任な態度や対応のまずさが悲劇を引き起こしてしまったことは間違いない。まさに「人災」である。子供を教育するためには大人たちの再教育こそ必要であろう。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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