2024年 4月 26日 (金)

中国ドラッグ新たなターゲット「薬物防止策手薄の日本」毒性強めて荒稼ぎ

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

都内の密造工場「中国業者から100キロ単位で仕入れ2年で20億円」

   この化学物質の供給源は中国だ。日本だけでなくアメリカへも流入しているという。警視庁が昨年11月、都内にあった危険ドラッグの密造工場を摘発した。密造には約20人が関わっていて、化学物質を溶かした液体を乾燥させた植物の葉に霧吹きを使って吹き付けドラッグを製造していた。使われていた原料の化学物質は中国の業者から100キロ単位でまとめて仕入れ、2年間で20億円を荒稼ぎしていたという。

   国谷裕子キャスター「危険ドラッグはいまや人体実験が行われているような状況なのですね」

「まったくその通りだと思います」

   国立精神・神経医療センターの和田清・薬物依存研究部長が解説する。

「危険ドラッグは何が起こっても、どんな症状が出ても不思議でないのが特徴です。先の横紋筋融解症は腎臓のろ過機能をダメにし、透析しないと死んでしまう。精神的にもものすごい興奮状態、妄想状態になり、他人の家に入り込んで大騒ぎして強制入院になるケースもありました」

   国谷「日本は諸外国に比べ薬物依存者が極めて少ない国とされてきましたが、危険ドラッグに歯止めをかけるにはどうすればいいんでしょうか」

   和田部長「1回でも薬物をやったことがある生涯経験率は、アメリカ47.1%、オーストラリア38.1%、イギリス36.8%とすごい数字ですが、日本は2.9%で先進国のなかでは奇跡といわれてきました。ただ、困ったことに、この数字のせいでドラッグの危険性に対する実感がない。鈍い。危険ドラッグに携わる人、専門家は、私の知る限りアメリカ数百人に対し日本は10人程度。アメリカに比べ、恥ずかしい限りです。それにもう一つ重要なのは乱用防止策。これも先進国で最も遅れています」

   得体の知れない化学物質を売る中国の悪徳業者が、いまターゲットにしているのはアメリカよりも日本市場で、理由は高く買ってくれるからだという。つまり、規制が後手で、好奇心から気軽にドラッグをやり依存症になってしまう愚か者が多いということだ。

「ここで有効な手を打たなければ、将来、日本は薬物乱用大国になる恐れすらあります」

   語気を強め語った厚労省の麻薬取締部長の言葉が強く耳に残った。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2014年7月30日放送「命を奪う危険ドラッグ」)

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