2024年 4月 26日 (金)

「職務発明」もっと評価して!まだまだ低いヒット商品の開発報奨

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   青色発光ダイオード(LED)の発明でノーベル物理学賞を受けた中村修二カルフォルニア大サンタバーバラ校教授は、かつて発明の報酬が低いと会社と裁判で争った。いまも「(社内発明を)もっと正当に評価すべきだ」という。特許法の改正も論議されるなか、会社も従業員も納得する方策を模索している。

   30年前、酒井隆司さんが発明した「ラベルメーカー」は大ヒット商品となった。会社は巨額の利益を得たが、報奨金は13万円だった。酒井さんは裁判を起こして約3000万円の和解金を得たが、本当に訴えたかったのは会社の姿勢だった。「基本技術と特許を周辺技術扱いされたらモチベーション下がりますよ」

「社内発明の特許」会社のものか従業員のものか

   特許の出願は年間約30万件。その97%が企業の従業員による「職務発明」だ。1990年代、従業員の訴えで多額の報奨金判決や和解が相次いだ。政府は2004年に特許法を改正して、企業は社内発明への対価の支払い方法を定めるよう規定した。

   現行法では職務発明も個人のものだ。多くの会社は発明者に「譲渡対価」を払って特許の権利を譲り受け、商品の売り上げに応じて「実績報奨」を払い続けるのが慣例だった。その支払い方法を決めたことで訴訟の数は減ったが、発明の貢献度の算定はなお課題だ。

   印刷大手の凸版印刷では専門チーム70人が審査にあたる。たとえば、ICカードには500件もの特許が関わる。そのどれがどれだけ売り上げに貢献しているかを算定する。1年に1万4000件。「ものすごい負担ですが、万が一、訴訟になると大変だから」と会社はいう。

   支払い方によっても不公平は起こりうる。製薬会社の新薬は基礎研究、開発研究、臨床試験を経て商品となる。関わるのは数十人から数百人だが、発明者として報奨を受け取るのは基礎開発の数人に限られる。

   知的財産戦略研究所の澤井敬史理事長は、「プリンターも3000件近い特許があります。これを誰の発明とするのか。公平感とやる気の担保にどこの企業も 苦労してます」という。

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