2024年 4月 27日 (土)

フォルクスワーゲンだけじゃない「クリーンディーゼル不正」排ガス検査合格は1車種だけ

   先月(2015年9月)、アメリカ政府はフォルクスワーゲンのディーゼル車が不正なソフトウエアを使って排ガス検査を潜り抜け、実際に道路で走行すると規制基準の40倍もの窒素酸化物を排出していたと発表した。ディーゼルエンジンは燃費はいいのだが、黒いススや窒素酸化物などの排出が多く、大気汚染を引き起こすなどの課題があった。

   1990年代に入ってエンジンの改良や排ガス処理装置の進歩によって、環境に優しい「クリーンディーゼル」として復活し、欧州ではいまや新車の販売台数の半分を占めているタイプだ。

フランスの抜き打ち検査に「猶予期間欲しい」

   しかし、不正はフォルクスワーゲン1社にとどまらない可能性が出てきている。昨年、欧州のNPO「国際クリーン交通委員会」が、米国と欧州の室内検査をパスしたディーゼル車15車種を対象に路上の排気ガスを測定したところ、窒素酸化物の排出量が基準をクリアしたのはわずか1車種だった。14車種は平均して規制の4倍の窒素酸化物を排出していたという。

   さらにややこしいのは、「これらは違法行為とは言えず、むしろ検査基準に原因があるかもしれない」(排ガス調査会社のニック・モルデンCEO)と考えられていることだ。

   フランスは各メーカーのディーゼル車100台について、路上での『抜き打ち検査』の実施を決めた。これに対して、欧州の自動車メーカーで作る欧州自動車工業会は「猶予期間が欲しい」と泣きを入れている。事実上、不正を認めたも同然だ。

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