2024年 3月 28日 (木)

本当は危ない? 地方銀行

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   バブルの不良債権処理に悩むメガバンクよりも、健全性では上回るといわれていた地方銀行だが、どうも様子がおかしい。これまでが、単なる先送り策で延命していただけだったようだ。

   九州の地方銀行が揺れている。地銀の大手、福岡銀行と熊本県に本店を構える第二地銀の熊本ファミリー銀行は2006年5月12日、福岡銀が熊本ファミリー銀の公的資金を肩代わりし、来春メドに持ち株会社を設立して経営を統合する、と発表した。4月28日には、大分県の第二地銀、豊和銀行が福岡市に本店を置く西日本シティ銀行に30億円の資本支援を仰いだうえで、国の公的資金を資本注入すると発表したばかりだ。

   熊本ファミリー銀が受け入れている公的資金(第1回第二種優先株式4,000万株、2014年3月1日が普通株式への転換日)は300億円で、それを福岡銀行が整理回収機構から全額(1株788円79銭、総額315億5,160万円)買い取った。

公的資金の早期返済が最大の課題

福岡銀行が本店を置く福岡市中央区天神。九州の金融機関は再編されるのか
福岡銀行が本店を置く福岡市中央区天神。九州の金融機関は再編されるのか

   記者会見で、熊本ファミリー銀の河口頭取は「公的資金の早期返済が最大の課題だった。当行の収益力から期限内での返済は十分可能ではあるが、将来を考えて(公的資金を)一気に返済し、前向きな経営を図ることがよいと判断した」と話した。
   福岡銀にも危機感が募っていた。福岡県に隣接する、山口県下関市に本店を置く山口銀行は、北九州市で大きな存在感を示してきた。一方、旧西日本銀と旧福岡シティ銀が合併して誕生した西日本シティ銀行はスケールで肉薄している。すでに長崎銀行を子会社として保有しており、これに大分県の豊和銀をも傘下に収めるようなことになると、福岡銀は収益拡大の場を失いかねない。福岡市を中心とする、メガバンクの攻勢も厳しさを増す。
   九州経済圏は福岡県と熊本県で約5割の経済規模を有することを考えれば、福岡銀が熊本エリアを抑えに動くことは、いわば当然の成り行きともいえる。
   福岡銀行の谷正明頭取は12日の記者会見で、「ビジネスモデルが共有できる相手であれば、提携先を拡大していきたい」と、同行が九州の地銀再編の“核”となることに含みをもたせた。

   長崎県佐世保市に本店を置き、公的資金を受け入れている親和銀行(九州親和ホールディングス)には、おのずと目が向くし、周辺の地方銀行の中には福岡銀が歴代頭取を送っている銀行や、預金量規模の小さな銀行もあって、いずれ福岡銀と西日本シティ銀の“九州ビッグ2”に「飲み込まれてしまう」(大手地銀の幹部)との観測もある。

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