2024年 5月 5日 (日)

携帯参入のイー・モバイル 勝負は来年?

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   新しい携帯電話事業者のイー・モバイルが2007年2月19日、東京都内のホテルでサービス概要を発表した。携帯電話市場への新規参入は実に13年ぶりで、同社はまずデータ通信サービスに特化し、月額基本料5,980円の定額制で高速ブロードバンドを提供する。毎日30分インターネットを利用する人なら、他社より3~7割安い水準という。

   ただ、一般的な音声通話の提供は1年後の08年3月からだ。それまでの間、「携帯端末での高速データ通信」というニッチな市場を押さえる戦略だが、1年間で認知度アップがどれだけ図れるかが問われそうだ。

端末は出資する大手家電量販店などで販売

イー・モバイル、多機能端末「EM・ONE(エムワン)」でサービスを開始する
イー・モバイル、多機能端末「EM・ONE(エムワン)」でサービスを開始する

   データ通信の下り(受信)の速度は、第3世代携帯電話の改良版で、現在最高水準のHSDPAと呼ばれるパケット通信規格を採用した結果、毎秒3.6メガビットになった。専用の多機能端末「EM・ONE(エムワン)」は、シャープマイクロソフトと3社で共同開発した。シャープが得意とする高精細の液晶画面は、4.1インチ(ワイドVGA、800×480ドット表示)と携帯機器としては大型で、地上デジタル放送「ワンセグ」が視聴できる。本体は厚さ18.9ミリと20ミリを切る薄さながらキーボードがついており、スライドして使う。

   端末は、ビックカメラなど同社に出資する大手家電量販店などで販売する。長期契約による割引プランを導入しており、端末購入を含めたエムワンの初期費用9万5,000円は、1年契約では7万1,000円に、2年契約で3万9,800円に割り引く。このほか、パソコンに差し込んで使うPCカード型の端末もあり、こちらも標準契約は2万8,980円だが、1年契約なら,4980円に割り引く。
   サービス提供地域は、東京23区内と名古屋、京都、大阪の各市内から始め、6月までに東京都内の国道16号線内側や、神戸、大阪近郊と拡張し、さらに順次全国都市に広げる。初年度に30万契約を目指している。
   発表会で千本倖生会長兼最高経営責任者(CEO)は、「携帯電話の常識を根底から覆す。2年かけ周到に準備してきた」と述べ、「エムワンは、キーボードがついて世界初の薄さだ。インターネットでサイトを見ると、端が切れず全部見える」と端末の魅力を訴えた。

既存の携帯会社は、「お手並み拝見」と静観の構え

   千本氏は、ダイヤル・アップの遅くて高い通信環境しかなかった7年前の1999年、当時はまだ聞き慣れない名称だったADSLサービスを提供する「イー・アクセス」を設立。ソフトバンクの孫正義社長とともに、ADSLの普及でブロードバンド革命を起こした一人だ。千本氏は、携帯電話は当時の固定電話と同様に「今なお高くて遅い」と批判し、「今度は携帯という巨大なマーケットでブロードバンド革命を起こす」と意気込んでいる。

   一方、イー・モバイルの発表に、既存の携帯電話会社は、「お手並み拝見」と静観の構えだ。NTTドコモの場合、約5,200万ユーザーのうち、音声通話のないデータ通信専用プランの契約者は1%弱とされ、KDDI(au)もデータ通信は「ニッチな市場」という認識だ。

    また、PHS専業のウィルコムが、キーボードを内蔵した端末「W-ZERO3」を投入して評価され、パソコン機能を兼ねる高機能なスマート・フォン型端末に潜在需要があることは携帯各社とも認めている。ただ、シャープの電子手帳「ザウルス」や、ソニーの「クリエ」などPDAと呼ばれた小型端末が好きで、かつて購入した男性ビジネスマンが「2台目」の携帯電話として購入を厭わない可能性がある。ただし、「その先の展開は読み切れない」と各社は模様眺めだ。

    イー・モバイルは、「ケータイの新ケータイ」のキャッチコピーでテレビCMも流し、サービス開始の告知に余念がない。「エムワンは始まりに過ぎない」と語る千本氏の次の一手が注目されるところだ。

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