2024年 4月 28日 (日)

入門向けデジタル一眼レフ カメラメーカーの発売相次ぐ

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   レンズ交換式のデジタル一眼レフカメラで、入門者向けの小型軽量・低価格モデルが相次ぎ発売されている。ソニー松下電器産業が2006年に参入したことに危機感を募らせた既存のカメラメーカー各社が、商品の拡充に乗り出しているためだ。コンパクト型デジカメでは飽き足りなくなった写真好きや女性層の獲得が狙いで、新規需要の発掘を競うことでデジカメ市場は一段と活性化しつつある。

キヤノンは「EOS kiss」10代目「デジタルX」を発売

キヤノンは「EOS kiss」シリーズの10代目「デジタルX」を発売
キヤノンは「EOS kiss」シリーズの10代目「デジタルX」を発売

   オリンパスは07年3月5日、入門者向けの「E-410」(本体の店頭想定価格9万円前後)を、4月下旬に発売すると発表した。有効画素数は、従来機より250万画素アップの1,000万画素。本体の重さを375グラムと「デジタル一眼レフとしては世界最軽量」(同社)を実現した。同社は今年度当初、一眼レフの世界出荷を40万台と見込んでいたが、開発の遅れなどから、25万台に下方修正するなど低迷していたが、新機種の投入で巻き返しを図る。

   入門者向けモデルで現在、最も人気を集めているのは、ニコンが06年12月に発売した「D40」だ。自動的にピントを合わせるポイント数を減らすなど機能を絞り込んで、本体価格は同社製デジタル一眼レフとして初めて6万円を切る水準に設定した。有効画素数は610万画素。大きさも同社の従来の入門機より一回り小さくし、女性でも手軽に扱えるようにした。

   キヤノンは06年9月、「国民的一眼レフ」と自負する「EOS kiss」シリーズの10代目「デジタルX」を発売した。有効画素数は従来機より約200万画素アップの1,010万画素とし、本体価格は9万円前後に設定。焦点機能や連続撮影機能などの向上も図り、背面の液晶モニターも従来より約2倍大きい2.5型にした。

ソニー新規参入に強い危機感を覚える

   カメラメーカーが入門者向けの新型カメラを相次いで発売したのは、カメラ事業から撤退したコニカミノルタの技術やブランドを引き継いだ電機の巨人・ソニーが06年7月、新規参入したことに強い危機感を覚えたためだ。ソニーが発売した入門者向けの新機種「α100」は、珍しさもあって好調な出足を記録。ソニーは同月の国内一眼レフ販売シェアで、いきなり2割以上を獲得して3位に躍り出た(調査会社BCN調べ)。

   ただ、キヤノンの「デジタルX」を皮切りにカメラメーカー各社が入門機種の品ぞろえ強化に乗り出したことで、ソニーのシェアはその後徐々に低 下。12月には5%台にまで落ち込んだ。06年の年間販売シェアで見ると、強さを発揮したのは結局カメラメーカーで、国内販売台数別シェアはキヤノン44%、ニコン33%。2強合計のシェアは前年比で3ポイント下がっただけ。3位は、独自の手ぶれ補正機能を搭載する「K100D」を7月に投入したペンタックス(9%)で、上位3社の順位は昨年と同じだった。

   そして今春、対応が遅れていたオリンパスに加え、ニコンも「D40」の姉妹機種を追加する投入と発表。カメラメーカーの攻勢は一段と強まる。カメラ本体だけでなく交換レンズやアクセサリー類も過去からの資産として豊富に取りそろえてあり、カメラメーカーの優位を新規参入組が崩すには、まだまだ時間がかかりそうだ。

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