2024年 5月 3日 (金)

健全度NO.1の静岡銀行 債権回収に思わぬ落とし穴

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

「時間がなかったし、初めてのことでしたので…」

   では、静銀はなにをそんなに急いだのだろう。同行は「回収を焦ったわけではないのですが、とにかく初めてのことですし、時間がありませんでした」という。融資管理部によると、クレディアと交わした融資契約にある「債権譲渡担保契約」を行使するためには、クレディアが倒産手続きに入る前に利用者に「債権譲渡通知」を送付する必要があった。9月14日に倒産したクレディアの手続き開始決定日は同21日で、実質3日しかなかったこと。加えて、送付先が約6000と通常では考えられない多さだったこともあって、「連休(9月15~17日)返上で作業して、ようやく間に合わせました」と説明する。

   通常の売掛債権の債権譲渡であれば、事業者同士のやり取りで済むので送付先も数十件程度だし、文書が何を意味するかもわかっている。今回は送付相手が「個人」であったにもかかわらず、企業への対応と同じように「機械的」に処理したことがアダになったわけだ。

   ある地銀の幹部は、「一般的に、企業が倒産して取りはぐれれば責任問題。他行が動く前に、というのは定石どおり。コンプライアンス・チェックもして法に則って動いたのだろうが、人間の感情がどういうものかを忘れていた。ある意味、仕事に忠実で生真面目な銀行マンが陥りそうな話だ」と分析してみせた。

「静銀は敷居が高いですからね。消費者金融でお金を借りる人がどういう人なのか、もう少し考えたほうがよかったのではないでしょうか」(古橋氏)
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