2024年 4月 25日 (木)

新聞社ニュースサイト戦争「毎日」躍進はヤフー頼み?

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   ウェブサイトをリニューアルしたばかりの毎日産経の2社だが、両方とも大幅に躍進、という結果が出た。いずれも、提携先のポータルサイトから大量のアクセスが流入していることが原因で、いわば「アクセス増はポータル頼み」という状況になりつつある。これに対し、ポータルとの連携が少ない読売、朝日、日経は微減傾向と対照的な動きを見せている。

「MSN産経」2.4倍、「毎日」は17%増加

毎日新聞のサイトは利用者が17%増加した
毎日新聞のサイトは利用者が17%増加した

   ネット視聴率調査会社のネットレイティングスは2007年11月21日、07年10月のインターネット利用動向調査を発表した。それによると、10月にサイトをリニューアルしてスタートした産経新聞の「MSN産経ニュース」と毎日新聞の「毎日.jp」は、旧ニュースサイト「Sankei Web」「MSN毎日インタラクティブ」を大幅に上回る利用者を集めた。

   9月の「Sankei Web」の家庭からの利用者は169万人だったのに対して、「MSN産経ニュース」の利用者は414万人。実に2.4倍に増えた。一方の毎日新聞だが、9月の「MSN毎日インタラクティブ」の404万人だったのに対し、10月の「毎日.jp」の利用者は472万人と、17%の増加となった。

   サイトを特にリニューアルしなかった3社の10月の利用者数は、読売新聞の「YOMIURI ONLINE」が581万人、朝日新聞の「asahi.com」が407万人、日経新聞の「NIKKEI NET」が321万人と、いずれも9月から微減傾向だった。

   産経新聞と毎日新聞が「躍進」した理由は、実はポータルサイトからのリンクにある。産経は、MSN Japanのリンクをたどってきた利用者の割合が56.5%。一方の毎日新聞は、実に72%の利用者が、配信先でもある「Yahoo!ニュース」の「関連記事」から貼られたリンク経由でアクセスしている。ちなみに、マイクロソフトと共同で運営していた旧サイトでは、56.5%がMSN Japan経由のアクセスで、ネットレイティングスでは

「MSN Japan利用者はニュースの提供元が変わっても、ニュース閲覧行動にはほとんど変化のなかったことを示している」

   と分析している。

産経イザもヤフーの「関連記事」でアクセス増

   毎日新聞の躍進は、いわば「ヤフー頼み」とも言えそうだが、今回発表された5社のうち、読売新聞と産経新聞も、ヤフーにニュースを配信している。ヤフーに配信された読売新聞の記事については、読売新聞へのリンクが張られることはないため、配信によるアクセス増は望めない。一方、産経新聞が配信した記事については、いくつか「関連記事」が表示され、産経新聞社が運営するサイト「イザ!(iza!)」にリンクされる仕組みになっている。いわば、産経新聞側でもヤフーの恩恵を受けている形だ。

   ネットレイティングスでは、

「今回の発表は、新聞社のブランドを冠したものに限った」

   と話しており、iza!の利用者数は発表されていない。そこをあえて同社に聞いてみると、9月の利用者数は652万人だったのに対して、10月は841万人で、「YOMIURI ONLINE」を大きく上回っている。もっとも、iza!は、産経新聞本紙や「夕刊フジ」「サンケイスポーツ」など複数の媒体の記事が掲載されていることから、ネットレイティングスでは

「iza!は他のサイトとは位置づけが違う、という点は誤解しないで欲しい」

   と話している。

   なお、読売・朝日・日経の3社は、10月1日に、共同で新ポータルサイトを立ち上げる構想を発表しており、毎日・産経とは別の路線を歩んでいる。

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