2024年 4月 20日 (土)

日本の経済界 「キャップ&トレード」導入へ方向転換

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   日本も欧州連合(EU)が進めている「キャップ&トレード」型の排出権取引の導入に向けて、大きく舵を切る。政府は2008年2月21日、内閣特別顧問の奥田碵・トヨタ自動車相談役を座長とする「地球温暖化問題に関する懇談会」を発足させたが、メンバーには経済界から勝俣恒久・東京電力社長や三村明夫・新日本製鉄社長が選ばれた。これは「キャップ&トレード」型に、反対していた日本経団連など経済界が大きく方向転換したことを示し、日本政府として新たな環境戦略を打ち出したに等しい。

「キャップ&トレード」に反対していた経済界

   「キャップ&トレード」は地球温暖化を防止するための、温室効果ガスの排出権取引の手法のひとつで、温暖化ガスの排出量の「目標枠」の上限(キャップ)を設けて、その枠内で過不足分の権利を融通しあうことで目標を達成しようというもの。簡単にいうと、企業は新たな環境技術の導入や省エネ活動などによってCO2などを削減できれば、その分を排出権として売れる仕組みだ。

   EUでは2005年から、こうした排出権の企業間売買ができる市場が導入されている。しかし、日本では工場などに導入されている環境技術が進み、かなり高い水準でCO2削減を達成している現実から、「不公平になる」といった理由で導入には消極的だった。

   企業関係者などからは、「産業界にかかる規制を必要以上に厳しくすると、国内の工場までが、中国やインドなどの京都議定書を批准していない海外へ流出してしまう」恐れも指摘されていた。

   最近では国内でも商社などを通じて排出権を取引する大手企業が出てきたが、目標達成のために海外から排出権を買うケースばかり。日本向けに「価格が吊り上げられる」ことも危惧されはじめていた。

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