2024年 3月 29日 (金)

上位メーカーと下位に格差 薄型テレビ業績明暗くっきり

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   電機大手の業績が成長分野の一つとして注目を集める薄型テレビで明暗クッキリ分かれた。ほぼ出そろった2008年3月期連結決算では薄型テレビの上位メーカーと下位メーカーとの格差が鮮明になった。値下げ競争の激化に加え、米国市場が低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題によって冷え込む中、ブランド力や販売力で優位にたつ松下電器産業などは薄型テレビが収益全体を押し上げる効果を発揮したのに対し、日立製作所などは業績の足を引っ張る形となった。

日立、東芝、パイオニアなどは厳しい

   松下は、プラズマテレビ「ビエラ」の販売が絶好調で、22年ぶりに過去最高を記録した最終(当期)利益を押し上げる原動力となった。09年3月期の薄型テレビ出荷台数は、前期比約5割増の1100万台を計画しており、液晶テレビで国内トップのシャープの計画(1000万台)を上回る計算だ。

   対するシャープは、欧米市場で「アクオス」の販売が低調だったことなどから、08年3月期はやや苦戦した。しかし、薄型テレビの完成品の不調に比べ、薄型テレビの部材を製造・販売する液晶パネル事業が好調で、同事業の営業利益は前年同期比12.5%増と2ケタ増を確保。同社は今後も、テレビ事業からパネル事業へと重心を移す計画で、薄型テレビ事業は今後も上向きで推移しそうだ。 

   ソニーは、液晶テレビ「ブラビア」の販売は好調だったが、コスト増で収益増には結びつかなかった。しかし、戦略的に他社と事業提携を進めており、09年3月期は低価格のパネル調達が可能な体制が整っており、「今期は黒字化したい」という期待も夢ではなくなる可能性が高い。

   薄型テレビの上位3社に対し、日立、東芝パイオニアなどは厳しい。特に、日立は薄型テレビが中心の民生機器事業の営業損益が前期より500億円超も悪化し、赤字幅は1099億円まで広がった。低価格競争の影響が大きく、「製造コストを下げれば販売価格も下がるイタチごっこだ」に苦しむ。

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