企業のテレビCM離れ始まる 「余裕があれば出すもの」になった

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   在京キー局5社の2008年9月中間決算が出そろい、日本テレビ放送網とテレビ東京が赤字に転落、フジ・メディア・ホールディングスを除く4社が営業減益になった。各社とも広告主の業績悪化の余波でテレビCM収入が落ち込んだのが響いた。その一方で、広告主にとってテレビCMは「余裕があれば出すもの」といった具合に、テレビCMそのものの広告価値にも疑問符がつき始めている。

テレ東、日本テレビが赤字転落

「自動車・食品など製造業を中心とする広告主の業績が悪化しており、変動的要素の強いスポットCMのみならず、固定的要素の強いタイムCMにも影響が出た」

   テレ東は北京五輪で増収になったにもかかわらず、収支ではマイナスの3億円の赤字となった。テレビ東京の島田昌幸社長は決算説明会のなかで、番組の前後に流す「スポットCM」と番組のあいだに流す「タイムCM」の両面で思うような収入が得られなかったと指摘した。「タイムCM」への影響は深刻で、同社の放送事業単体の「タイムCM」収入は08年通期で39億3900万円の減少を見込んでいる。

   TBSの第2四半期の「タイムCM」の収入は、北京五輪、サッカー欧州選手権「EURO2008」、「東レ パン・パシフィック・オープンテニス」関連の番組を放送したにもかかわらず、前年同期比で4.1%の減収。「スポットCM」に至っては前年同期比11.7%の減収となった。

   日テレは、北京五輪の収入で「タイムCM」での収入は0.8%の微増となったが、「スポットCM」は9.6%と大幅に減らした。

   営業増益となったフジ・メディアHDの豊田皓社長も、

「今年に入って追い討ちをかけるようにアメリカ方面から金融危機というさらに強烈な突風が吹き荒れている中で、いまだ予断を許さない」

と話し、番組制作費など大幅なコスト削減を行うとするなど、今後も放送事業をめぐる先行きが明るいわけではないとの見方を示している。

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