2024年 4月 29日 (月)

大手4社参入でブームの兆し アルコール「0.00%」ビール

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   アルコール度0.00%のビールテイスト飲料が人気を集めている。キリンビールが先駆けて発売した「キリン フリー」のヒットにつづけと、2009年9月下旬までにはビール大手4社の商品が出そろうことになった。

ドライバーに「安心して」すすめることができる

目標を2回上方修正し、ヒット商品となった「キリン フリー」
目標を2回上方修正し、ヒット商品となった「キリン フリー」

   キリンビールは2009年4月8日、アルコール度0.00%のノンアルコール・ビールテイスト飲料「キリン フリー」を発売した。キリンがこの商品の開発に取り組んだのは、2006年秋だった。広報部によると、「飲んでも運転できるビールテイスト飲料がほしい」といった要望が、寄せられていたからだ。

   ビールテイスト飲料にはこれまで、0.1%~0.5%と微量のアルコール分が入っているのが普通だった。だが、これでは運転手にとっては、酒気帯び運転への不安がある。その要望に応えたのが、「キリン フリー」だ。発売当初は年間63万ケースを目標としていたが、すぐさまこの目標を達成。5月には目標を160万ケースと変更し、7月下旬にはこれも達成。8月にはさらに、250万ケースに上方修正している。また、9月16日には500ml缶と中瓶も発売することを決めた。

   キリンビール広報部によると、警察庁科学警察研究所の論文を参考に運転シミュレーターを使って実験した。その結果これを飲んでも、運転能力には影響がないことが確認されているという。もっとも、この飲み物では、麦芽を発酵させない製法のため、アルコールが発生する余地はないそうだ。

   そのため、「キリン フリー」はサービスエリアや外食チェーン、ゴルフ場といったふつうビールは置かれないような場所でも、購入できる。また、郊外にある飲食店などでも車客に対して、「安心して」すすめることができると、好評を得ている。

   なお、個人のブログでは、飲み口の感想として、「ひとくち飲んだ時の感触や喉越しも、かなりビールに近い。苦みもいい感じ」、「『ビールを呑みたいけど呑めない状況』で呑むドリンクとしては最適だと思います」、「ビールっぽい感覚よりも、清涼感を感じる酸があります。果実酸のような爽やかさ」などと書き込まれていた。

6割以上が「ビールテイスト清涼飲料の飲用は増えると思う」

   そんな中、「キリン フリー」の後を追うかのように、他のビール大手からも同様のアルコール度0.00%ビールテイスト飲料の発売が続いている。

   アサヒビール「アサヒ ポイントゼロ」が09年9月1日、サントリー「サントリー ファインゼロ」が09年9月29日、サッポロビール「スーパークリア」も09年9月30日に発売することが決まっている。価格はいずれもオープン価格だが、350mlで140円前後。サッポロ広報はこの投入に、「ニーズがあると判断したため」と説明している。

   一方、ある業界関係者は、「業界全体のビールテイスト飲料の出荷数は昨年、250万ケースだったことを考えれば、今、勢いがあるカテゴリーだと思う。各社が出すことによって、0.00%ビールの認知はさらに広がるだろう。消費者とりわけドライバーにとっては、安心・安全への意識は強いため、市場はさらに拡大していくのでは」と話していた。

   アサヒビールが実施した調査では、6割をこえる消費者が今後、「ビールテイスト清涼飲料の飲用は増えると思う」と回答している。前出のキリンビール広報部も、当初は最大のターゲットにはドライバーを想定していたと言うが、それ以外にも妊婦さんが飲んだり、スポーツ後に飲み干したり、あるいは酒をとめられている人が飲んだり、といった声が寄せられ、思いがけない反響があったことには驚いていた。

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