2024年 5月 6日 (月)

サントリーが欧州老舗飲料買収 キリンとの統合有利にする思惑も

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

キリン・サントリー連合が世界5位から4位に浮上

   今回、サントリーは両ファンドから、同グループの株式を100%取得することで合意した。買収額は約26億ユーロ(約3500億円)となる模様だ。この金額は06年にブラックストーン・グループなどがキャドバリー社から買収した約26億ドル(約2400億円)を上回る。同グループをめぐっては、アサヒビールがサントリーに対抗して買収に名乗りを上げると海外メディアで報じられるなど、一時は情報が錯綜し、報道が過熱する一幕もあった。

   グループの売上高は10億ユーロ(約1320億円)。買収の結果、サントリーが経営統合交渉を進めているキリンホールディングスと合算した売上高は約3兆9480億円となり、世界の食品メーカーの08年の売上高としては、キリン・サントリー連合が現在の5位から、米国のクラフト・フーズ(3兆8550億円)を抜いて4位になる。

   サントリーが今回の交渉を進めた背景には、欧州など海外の市場開拓を急ぐ同社の世界戦略がある。サントリーは英仏などにワインやウイスキーの製造拠点を持つが、清涼飲料の基盤はない。オレンジーナ・シュウェップス・グループを傘下に収めれば、世界規模で事業展開できる環境が整うからだ。サントリーと経営統合交渉を進めるキリンも、欧州への進出は進んではおらず、大きな方向としてはキリン・サントリー連合の将来戦略に沿うもの。ただ、サントリーが先手を打って欧州飲料メーカーの買収に成功すれば、キリンとの統合交渉を有利に進めることができるとの思惑もありそうだ。

1 2
姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中