2024年 5月 6日 (月)

透明炭酸飲料「ひとり勝ち」 世代を超えて支持される理由

不況でも売れるのは「サイダー男子」のおかげ?

   景気に左右されない「透明炭酸飲料人気」を支えるのは誰か。アサヒ飲料が10年2月9日に発表した「イマドキ男子・かつての男子消費行動調査」では、その手がかりが見られる。

   20代の「イマドキ男子」500人と30・40代の「かつての男子」500人ずつにアンケート調査を実施。「イマドキ男子」と「かつての男子」の間には、消費行動(ライフスタイル、価値観)や炭酸飲料の好みについて意識の違いがあることがわかった。

   「かつての男子」は、1960~79年生まれ。バブル経済から2000年初頭に20代を過ごした世代で、なりたいと思った男性像は「かっこいい人」。自動車への関心も高く、車を買い、ドライブを楽しんで夏はビーチ、冬はスキーに出かけるのを好んだ。デートや旅行、レジャーにお金をかけ、衝動買いすることも頻繁だった。これに対して「イマドキ男子」は、80~89年生まれ。現役20代の彼らは、飾ることを嫌い、自分らしさを大切にして「自然体な人」を目指すという。外出よりも家で過ごすのが好きで、車への興味は薄い。主なお金の使い道は貯金や貯蓄。良い品を安く買うために比較するなど、買い物に対する姿勢も堅実だ。

   ところが、おもしろい共通点があった。それは「好きな飲料」。「かつての男子」、「イマドキ男子」両世代とも90%以上の人が、好きな飲み物として炭酸飲料を挙げていたのだ。

   ただし、炭酸飲料の好みも世代間で変化していた。「かつての男子」が、炭酸飲料に「キツさ」「パワフルさ」「濃さ」を求めるのに対して、「イマドキ男子」は「品質のよさ」「安心・安全」を重視。さらに、日本の夏に合っている飲料について、「かつての男子」の1位は「コーラ飲料」だが、「イマドキ男子」は「サイダー飲料」がトップだった。

   モノが売れない時代でも、右肩上がりで売れ行きを伸ばす透明炭酸飲料。その理由は、透明炭酸飲料のイメージが「イマドキ男子」に近いことがヒントになりそうだ。

   「コーラ飲料」「サイダー飲料」のイメージを両世代に聞いたところ、「コーラ飲料」のイメージの特徴は「濃い、主張が強い、ワイルド、強い、かっこいい」。これに対して「サイダー飲料」は、「さわやか、自然体、純粋、ほどよい」という結果だった。

   これは、それぞれの世代がなりたいと思った理想像と重なるところが多い。カッコよさを追求した「かつての男子」は、「強くてかっこいい」「コーラ飲料」がしっくりくるが、自然体を目指す「イマドキ男子」にとっては「自然体で純粋な」「サイダー飲料」が理想のイメージに合うのではないだろうか。

   透明炭酸飲料の市場が近年も好調なのは、自分の理想像を思い浮かべてつい「サイダー飲料」に手を伸ばす、若い「サイダー男子」のおかげかもしれない。

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