2024年 5月 5日 (日)

サザン桑田の声に影響出ないか 「内視鏡手術だけなら大丈夫」

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   「サザンオールスターズ」の桑田佳祐さん(54)が食道がんを患い、内視鏡でがんを取り除く手術を行う。「桑田節」と呼ばれる独特な歌い方もあり、今まで通り歌えるのだろうかとファンは心配している。

   所属事務所アミューズは2010年7月28日、公式サイトで桑田さんが「初期の食道がん」を患っていると発表した。担当者によると、がんの進行度は2番目に進んでいる「ステージ1」で、内視鏡でがんの部分を取り除く手術を行う。

進行が早く、転移のリスクが高い、やっかいながん

   一般的に内視鏡手術は1時間程度で終わり、1週間もあれば退院できるといわれているが、アミューズは、10月20日に予定していた新アルバムの発売を延期し、10月28日から12月31日まで予定していた全国ツアーをすべてキャンセルした。

   食道がんは胃がんなどに比べて、やっかいながんだ。国立がん研究センターがん対策情報センターによると、粘膜にできるので進行が早く、食道の壁の中と周囲にリンパ管や血管が豊富にあり、転移のリスクが高い。リンパの流れで転移したがんは、腹部や首のリンパ節に転移することがあり、血液の流れに入り込んだがんは、肝臓、肺、骨などに転移する。

   筒状になっている食道は、内側から粘膜、粘膜下層、固有筋層、外膜の4つの層に分かれている。桑田さんの「ステージ1」は、「がんが粘膜にとどまっているが近くのリンパ節に転移があるものか、粘膜下層まで浸潤しているがリンパ節や他の臓器さらに胸膜・腹膜にがんが認められないもの」と定義されている。「ステージ1」のなかでも進行度合いがだいぶ異なるようだ。

「歌手として復帰できることが前提で手術を受ける」

   年間の食道がん患者数が350例の恵佑会札幌病院(札幌市)の細川正夫理事長兼院長によると、一般的にがんが粘膜にできている場合は、内視鏡手術で「100%治る」が、粘膜下層まで達していると、リンパを通して転移の可能性が高まり、「内視鏡手術だけでは不十分」だ。外科手術で食道とリンパ節を含む周囲の組織を切除したり、放射線治療や抗がん剤治療をするケースが多い。

   細川院長は、

「食道がんが粘膜にできているか、その下(粘膜下層)まで突き破っているかで、天と地の差があります。もはや別のがんと考えたほうがいい」

とも言っている。

   また、桑田さんの場合、心配されているのが声帯への影響だ。

   アミューズの担当者は、「手術すると声が出なくなる喉頭がんと違う。歌手として復帰できることが前提で手術を受ける」といい、影響はないようだ。

   前出の細川院長(恵佑会札幌病院)も、「内視鏡手術だけで済めば声への影響はまったくない」と言っている。しかし、粘膜下層にがんが達し、食道やリンパ管を切除する場合、声を出す神経のそばを傷つけるので、「影響が出る可能性がある」。声帯への影響を避けるために、抗がん剤治療や放射線治療を選択するケースも考えられるという。

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