2024年 4月 19日 (金)

ノンアルコールビール戦争勃発 「カロリー、糖質ゼロ」で競争激化

   メーカー4社が相次いで売り出し、2009年に一大ブームになったノンアルコールビール。サントリー酒類はアルコール、カロリー、糖質の3つの「ゼロ」を実現したビールテイスト飲料「サントリー オールフリー」を10年8月3日に発売。同日、アサヒビールは、アルコール分とカロリーのダブルのゼロを実現したビールテイスト飲料「アサヒ ダブルゼロ」を売り出した。

   2010年は「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」を売り物にした健康志向の分野で、ノンアルコールビール戦争が幕を開けた。

「カロリー、糖質ゼロ」でもおいしい味わい

「サントリー オールフリー」(左)、「アサヒ ダブルゼロ」
「サントリー オールフリー」(左)、「アサヒ ダブルゼロ」

   「サントリー オールフリー」の特長は、「アルコール度数0.00%」に加えて、「カロリーゼロ」(栄養表示基準に基づき100mlあたり5kcal未満)と「糖質ゼロ」(100mlあたり0.5g未満)を実現したこと。

   同社によると、アルコール、カロリー、糖質の3つの「ゼロ」を実現したビールテイスト飲料は、「世界初」だ。通常のビール系飲料の製造では酵母によるアルコール発酵が欠かせないが、「サントリー オールフリー」では酵母を使用しない製法を採用したので、アルコールは生成せず、アルコール0.00%を実現することができた、という。

   さらに、カロリーゼロ、糖質ゼロでも「おいしい味わい」を実現することに工夫を重ねた。主な原料として、果糖ぶどう糖液糖や食物繊維を使用せず、厳選した一番麦芽だけを使い、苦味と香りを作り出すホップにも香り高い「アロマホップ」のみを使用し、ビール好きの人も満足できる味わいに仕上げた。

   サントリー広報担当者は、

「『アルコール』『カロリー』『糖質』の3つの『ゼロ』とおいしい味わいを同時に実現しました。男女を問わず、健康意識の高い方やゴルファーの方にもお楽しみいただきたいです」

といい、2010年内に100万ケース(1ケースは633ml×20本)、年間では約250万ケースの販売を計画している。

   また、8月3日の新発売から一週間の出荷数量は20万ケース程度を見込んでおり、「たいへん好調な出足」だ。

ノンアルコール市場、2010年は210億円へ

   「アルコール分0.00%」「カロリーゼロ」のビールテイスト飲料を8月3日に売り出したのはアサヒビール。「アサヒ ダブルゼロ」には酵母を使用せず、通常のビール類の製造工程に含まれる発酵の工程がないので、アルコールが全く生成されない。また、麦汁を使用せず、「麦芽エキス」を使用することで、「おいしいカロリーゼロ」を実現した。

   09年に盛り上がりを見せたノンアルコールビール市場。キリンビールの「キリン フリー」は09年4月8日に発売され、当初は年間63万ケースを目標としていたが、売れ行きが好調で5月に160万ケースに変更し、7月下旬に達成。 8月にはさらに250万ケースに上方修正した。

   アサヒビールは「アサヒ ポイントゼロ」を09年9月1日に、サントリーは「サントリー ファインゼロ」を同年9月29日に、サッポロビールは「スーパークリア」を同9月30日に売り出した。健康志向や、飲酒運転の罰則強化が追い風となり、ノンアルコールビール市場は急速に拡大した。

   富士経済によると、アルコール度数が0.00%のビアテイスト飲料(ノンアルコールビール)市場は157億円(出荷ベース)で、2010年は210億円に拡大すると見ている。

   連日の猛暑が続く2010年の夏。引き続きノンアルコールビールが話題になりそうだ。

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