2024年 4月 30日 (火)

8日だけで70本の抗議電話 被災地マツ「大文字」使用中止

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   京都の伝統行事・五山送り火の「大文字」に、津波で流失した岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」のマツの木切れを使う準備が進められていたが、放射能汚染を懸念する市民の批判が出たため中止になった。

   マツには陸前高田市で被災に遭い犠牲になった家族や友人の名前、復興へのメッセージが書かれ、400本近く集まっていた。京都市や大文字保存会などが念のため検査をしてみたが、放射能セシウムは測定されなかった。

「生まれ変わったらまたあなたと再会したい」

   2011年8月16日に行われる「大文字」に被災者の願いが書かれた松の木切れを運ぶーー。この計画は、大分市の芸術家が2011年6月に発案。大文字保存会(京都市左京区)に打診して実施が決まった。芸術家は10日間ほど陸前高田に滞在し、松の木切れを集めて住民に願い事などを書いてもらうことにした。その数は400本近くになり、「隆男さん、ケイコさん、安らかにお眠りください」「一年半後には医学部に入って医学を学ぶ」「生まれ変わったらまたあなたと再会したい」などといったメッセージが書かれているという。

   このニュースが京都で報道されたのは2011年7月上旬。すると京都市や保存会に「放射能汚染が心配だ」などの抗議が相次ぐことになってしまった。放射性セシウムが検出された稲わらを食べた牛が汚染されたニュースが不安を煽る結果になったのだという。そのため、京都市や保存会はマツの木切れの放射能測定を実施。安全が確認されたことを広報することにより市民に理解を求めようとしたのだが、実施についは主催者である保存会の意見が割れ、「検査の結果に関わらず受け入れは見送る」ことを11年8月6日に決めた。

「京都アホちゃう?」

   京都市によれば、7月上旬から8月にかけ、被災地のマツを燃やすことに反対する電話が40本ほどかかってきて、保存会にはそれを上回る抗議があったようだ、と打ち明ける。一方で、受け入れ中止が新聞報道されると今度は「受け入れろ!」といった抗議が殺到。8月8日だけで70本もの抗議の電話があったという。

   保存会の役員達は陸前高田に入り今回の経緯を説明。8日は今回集められたマツの木切れを、亡くなった人の精霊を迎える火として燃やすことになっている。

   今回の出来事についてネットのブログや掲示板には、放射能汚染されていなのなら当初の計画通り「大文字」で燃やすべきだったという意見が多く出ていて、

「京都アホちゃう?」
「東北支援が聞いて飽きれるわ 。薪自体が放射能漬けでも影響なんかあるわけねーだろ」
「あの松はみーんな地震直後の大津波で流されたんだぞ。原発が爆発したのは、その後じゃねーか」

といったことが書かれている。

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