2024年 4月 20日 (土)

「週刊バカ文春もバカ新潮も買ってしまった!」 橋下氏、批判記事に「余裕」の反撃

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   大阪市長選に転戦する橋下徹・前府知事が、一部雑誌による自身への「ネガティブ記事」に対し、「茶目っ気」をまじえて反撃している。

   世論調査の結果によっては、「大阪市長にふさわしい」人物として、対立する現職、平松邦夫市長の約2倍の「支持」をたたき出しており、橋下氏の「反撃」の中に余裕を感じる向きもあるようだ。

「ネガキャンペーン」を逆手にとる

どうなる大阪市長選。
どうなる大阪市長選。

   「実の父が暴力団員?結構毛だらけだ!」。橋下氏は2011年11月1日、大阪市内で行った府知事辞任後初となる街頭演説で、月刊誌「新潮45」や週刊新潮、週刊文春が報じた自身の出自や生い立ちを逆手にとって反論した。

   「今の権力構造を変えるには、坊ちゃんやお嬢ちゃんじゃできませんよ」(橋下氏の1日の演説)というわけだ。実父については、幼いときから別に暮らしており、「俺の記憶にない実父」(ツイッター)とも指摘している。

   「結構毛だらけ」のセリフは、故・渥美清さんが主人公「フーテンの寅」さんを演じた、人情喜劇映画「男はつらいよ」シリーズで知られる。「結構毛だらけ、猫灰だらけ…」と明るくテンポよく使われるセリフで、どことなくおかしみがある表現だ。

   さらに橋下氏は、ツイッターで、「(出自や親族情報などばかりで)俺の不祥事は何も報じてないじゃないか!」(11月2日)などと、2週にわたって「橋下特集」を展開中の週刊新潮と週刊文春を挑発しつつ、「こんなこと言いながら、週刊バカ文春もバカ新潮も買ってしまったじゃないか!」(同)と冗談交じりにつぶやいている。

   もっとも、こうした言い回しを含む橋下氏の発言全般については、必ずしも「茶目っ気」と感じる人ばかりではない。

毎日新聞「記者の目」も批判

   毎日新聞は11月3日付朝刊の「記者の目」欄で、橋下氏による平松氏へのツイッター上などでの論評について、「(略)とこき下ろす。公人の発言としては違和感を覚えるほど攻撃的だ」と断じている。

   橋下氏は、この「記者の目」記事が、「両陣営間では批判合戦ばかりが目立つ」などと指摘したことに反発しており、ツイッター(3日)で、これまでの会見やツイッターの記述などで政策論を具体的に展開しており、「批判合戦」との論評について「(記者が)勉強してないだけ」と「攻撃的」に批判している。

   もっとも、この毎日新聞への反論ツイッターでも、平松氏が毎日新聞の「友好会社」である毎日放送(MBS、本社=大阪市)出身であることに触れ、「(毎日新聞と平松氏の間に)何があるのか知らないが」とチクリと皮肉る余裕もみせている。

   橋下氏の「余裕」が指摘される根拠のひとつは、11月1日付朝刊で朝日新聞が報じた世論調査結果だ。

   大阪市長にふさわしい人物について、府内有権者で「橋下氏50%、平松氏26%」とほぼダブルスコアの結果が出て、大阪市民に限っても「同様の傾向を示した」。橋下人気は、大阪市内に限っても健在、というわけだ。

   しかし、同じ日の読売新聞の紙面では、「橋下氏と平松氏が横一線」とする世論調査結果が報じられている。朝日調査と比べると、全く異なる印象を受ける。

   ある大手新聞社の大阪関係者によると、取材の感触としては「橋下氏が圧勝の流れ」だとして、朝日調査の結果の方が実態に近いのでは、との見方を示した。

   前号で橋下氏への厳しい見方を載せた当の週刊文春の最新号(11月10日号)でさえ、大阪の下町を歩いてみると、「批判報道すら、橋下陣営にとって追い風になる勢いだ。エールを送る府民の多さに圧倒される」と舌をまいている。

   橋下氏支持でも平松氏支持でもない、と話すある60代の大阪市民の男性は、

「橋下氏の強権的な姿勢に違和感をもつ人が増えてきた印象もあるが、一方で、閉塞感がある現状を変えてくれるのは橋下氏だ、と漠然と考えている人はまだまだ多いのも事実」

と話した。

   大阪市長選は11月13日に告示される。ほかに前共産市議の渡司考一氏が立候補を表明している。渡司氏のサイトの「近況報告」欄では11月4日、「橋下前知事や維新の会の独裁と暴走にストップ掛ける(編注:原文ママ)ために全力を尽くします」と書いている。平松氏についての記載はない。

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