2024年 5月 2日 (木)

銀座から昭和の薫りがまた消える 名画座「シネパトス」閉館を惜しむ声

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「B級、C級の新作映画もバンバン公開してくれる夢の劇場」

   45年の歴史を持ち、銀座の中心部近くにあったことから足を運んだことのある人が多く、閉館の明らかになった2012年7月20日には、ツイッターには閉館を惜しむ声が殺到した。

「文化が変貌してゆく。35mm映写劇場は内外関わらず旧作映画から人生を学び取れる環境なのです」
「近年の閉館情報では一番の衝撃。新作も旧作も、映画館が映画を愛しているのが伝わってくる数少ないコヤだっただけに悲しみもひとしお」

などと自らの青春と重ね合わせながら、哀切の思いを伝えるようなコメントが目立った。

   いわゆる名画のみならず、日活ロマンポルノの特集や団鬼六作品なども積極的に上映してきただけに、コアなファンからは、

「名画座という解釈はちょっと違う。他のシネコンじゃ絶対やってくれないようなB級、C級の新作映画もバンバン公開してくれる夢の劇場だ」「『恐怖奇形人間』とか、もうなかなか観ることが出来ない作品を上映してくれる奇特な映画館だったのに…」

という、破天荒な猥雑さを懐かしむ声もあった。

   劇場では2013年2月から、閉館を記念した新作映画「インターミッション」が上映される。休憩時間の映画館を舞台にしたコメディ作品で、映画評論家の樋口尚文さんが監督を務め、女優の秋吉久美子さんらが出演する。さっそく、「このオリジナル映画は凄く期待! きっと映画愛大盛りツユダクですよ」という声も出ていた。

   舞台挨拶や観客として足を運んだ映画関係者も多いだけに、映画監督や撮影技師など、業界関係者による呟きもかなりあり、「ローレライ」や「日本沈没」などを監督した樋口真嗣氏は、

「都が立ち退き命令だと? そういう事をさせるために高い都民税を納めているつもりはないし、その程度の杓子定規な判断を下す官吏を食わすために高い都民税を納めているつもりもない」

と憤懣をぶちまけていた。

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