2018年 11月 17日 (土)

銀座から昭和の薫りがまた消える 名画座「シネパトス」閉館を惜しむ声

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   映画ファンに親しまれていた映画館「銀座シネパトス」(東京中央区銀座)が2013年3月末に閉館することが明らかになった。銀座唯一の名画座として知られていただけに、ネットには閉館を惜しむ声が相次いでいる。

   シネパトスは1967年、東銀座駅と銀座駅間にある三原橋地下街に「銀座名画座」「銀座地球座」としてオープンした。1988年に現在の「銀座シネパトス」に名称を変え、2009年から3スクリーンのうち1スクリーンを、邦画専門の名画座として運営してきた。

1950年代に完成した地下街

   閉館は、三原橋地下街が耐久性の問題で取り壊されることになったため。同地下街は1950年代に完成した、日本でもかなり古い部類に入る地下街だ。銀座三越から歌舞伎座方向に向かって150メートルほどのところにある。晴海通りの脇にある階段を下ると、天井の低い地下街に小さな飲み屋や理髪店、そしてこのシネパトスなどが軒を連ね、華やかな銀座の表通りとは一線を画した、ここだけは昭和の薫りが今も濃厚に漂う「通好み」のゾーンとなっていた。

   シネパトスを運営するヒューマックスシネマの担当者によると、何年か前から、取り壊しの話が出ていたという。

   名画座とは、新作ではなく名作と呼ばれる過去の旧作を上映する映画館のこと。独自のテーマを設けて作品をセレクトする映画館もある。近年は3D映画など、デジタル機器を使っての上映が増え、昔ながらのフィルムで上映する名画座は次々と姿を消している。

「フィルムで上映すると、スクリーンの端に黒いポツポツが出来ます。デジタルの方が映像は綺麗ですが、フィルムの方が暖かくて味があるというお客様もいました」

とヒューマックス担当者は話しており、そのあたりが特異なロケーションと相俟って古くからの映画ファンをひきつけていたようだ。

「B級、C級の新作映画もバンバン公開してくれる夢の劇場」

   45年の歴史を持ち、銀座の中心部近くにあったことから足を運んだことのある人が多く、閉館の明らかになった2012年7月20日には、ツイッターには閉館を惜しむ声が殺到した。

「文化が変貌してゆく。35mm映写劇場は内外関わらず旧作映画から人生を学び取れる環境なのです」
「近年の閉館情報では一番の衝撃。新作も旧作も、映画館が映画を愛しているのが伝わってくる数少ないコヤだっただけに悲しみもひとしお」

などと自らの青春と重ね合わせながら、哀切の思いを伝えるようなコメントが目立った。

   いわゆる名画のみならず、日活ロマンポルノの特集や団鬼六作品なども積極的に上映してきただけに、コアなファンからは、

「名画座という解釈はちょっと違う。他のシネコンじゃ絶対やってくれないようなB級、C級の新作映画もバンバン公開してくれる夢の劇場だ」「『恐怖奇形人間』とか、もうなかなか観ることが出来ない作品を上映してくれる奇特な映画館だったのに…」

という、破天荒な猥雑さを懐かしむ声もあった。

   劇場では2013年2月から、閉館を記念した新作映画「インターミッション」が上映される。休憩時間の映画館を舞台にしたコメディ作品で、映画評論家の樋口尚文さんが監督を務め、女優の秋吉久美子さんらが出演する。さっそく、「このオリジナル映画は凄く期待! きっと映画愛大盛りツユダクですよ」という声も出ていた。

   舞台挨拶や観客として足を運んだ映画関係者も多いだけに、映画監督や撮影技師など、業界関係者による呟きもかなりあり、「ローレライ」や「日本沈没」などを監督した樋口真嗣氏は、

「都が立ち退き命令だと? そういう事をさせるために高い都民税を納めているつもりはないし、その程度の杓子定規な判断を下す官吏を食わすために高い都民税を納めているつもりもない」

と憤懣をぶちまけていた。

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