2020年 7月 11日 (土)

朝日記者に中国で称賛の声 「暴行受けても真相に迫った」

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   中国江蘇省南通市啓東でデモを取材していた朝日新聞の奥寺淳・上海支局長(41)が現地の警察官から暴行を受けたが、中国のネット上では奥寺支局長を擁護する声が高まっている。

   奥寺支局長は、2011年に浙江省の温州で起きた高速鉄道の衝突事故で、当局が事故車両を重機で壊して埋める様子をスクープしたことで知られる。この事故をめぐっては、現在でも報道規制が続いているとみられることもあって、中国のネット上では、奥寺支局長に同情的な声も聞かれる。

警察官にカメラ奪われ、蹴られる

   奥寺支局長が取材していたデモは、南通市当局が計画していた王子製紙工場の排水用パイプラインの建設に反対するもの。当初は、「排水が環境汚染を引き起こす」といった趣旨のデモだったが、いつのまにか格差や政府の汚職批判にすり替わって暴徒化。12年7月28日には、デモ隊が政府庁舎に流れ込み、窓ガラスを割るなどした。当初は警官隊は静観していたが、後に反撃に転じデモ隊に暴行するなどした。

   その様子を取材していた奥寺支局長は、突然カメラを奪われ、取り囲んだ警官隊15~20人に地面に押しつけられたという。記者だと名乗ったにもかかわらず、20秒間に渡って蹴られたり、体の上に飛び乗られるなどしたという。暴行後に見せた記者証も取り上げられた。

   朝日新聞社は、渡辺勉・国際報道部長の名前で

「正当な取材活動に対して加えられた極めて悪質な妨害であり、看過できません。中国政府に抗議し、謝罪と、カメラと記者証の返還を求めています」

とするコメントを出している。

   今回のデモをめぐっては、中国国営メディアでも短く報じたが、奥寺支局長に対する暴行については伝えていない。香港メディアがわずかに事実関係を報じている程度だ。

   だが、中国版ツイッターにあたる「微博」では、暴行を伝える朝日新聞の電子版の画面をキャプチャーしたものが出回るなどして、中国のネット利用者にも、少しずつ事実関係が伝わっているようだ。

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