2024年 4月 17日 (水)

警部補逮捕の「富山」だけではない 警官犯罪・不祥事続出、1年間で懲戒免職「50件超」

「苦い過去の失敗からの学びが必要」

   富山県警の警部補による殺人・放火事件については、新聞各紙の中でも産経新聞が特に紙面を割いて報じ、現職警官の不祥事が全国的に急増している現状にも警鐘を鳴らしている。同紙によると、警察庁幹部は「今年(2012年)は上半期だけでも免職、停職は最悪のペースで増えた。最も厳しい処分の懲戒免職は過去最悪の02年の59件と同程度か、超えるかもしれない」と懸念しているという。

   02年といえば、神奈川県警覚せい剤もみ消し事件などを受け、警察組織の建て直しを目指した「警察刷新会議」発足の2年後で、過去の不祥事について大量処分した年に当たる。懲戒処分(戒告、減給、停職、免職)の全体数は600件近くに達していた。

   刷新会議の再発防止策が功を奏したのか、懲戒件数は09年には約240件に減少したものの、翌10年から再び増加に転じ11年は360件以上、12年は上半期だけで205件に達している。同紙の記事の中で、刷新会議メンバーだった評論家の大宅映子さんは対策として、「覚せい剤もみ消し事件などの過去の苦い事例を若い警察官に示して、再び失敗から学ぶことが必要だ」と提言する。

   警察不祥事の増加傾向については、テレビ朝日系列の「「サンデー!スクランブル」も富山市の事件との関連で詳しく取り上げ、検事出身の田中喜代重弁護士は「警察刷新会議から12年を経て警察官としての志や使命感といったものが低下しているのでは」「ベテラン警察官が大量退職の時代を向かえ、意識が伝承されていないのでは」と指摘した。

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