2024年 4月 28日 (日)

「総理の要請は無視できない」 アベノミクス賃上げは「まだら模様」

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報酬アップが実現するのは大手企業の正社員だけ

   半導体のリストラなどを迫られ、2013年3月期に950億円の最終赤字に転落する富士通は定期昇給の実施延期について組合と交渉に入る。パナソニックも13日に定昇維持と業績連動の一時金支給を回答したが、これとは別に数パーセントの賃金カットを組合に新たに申し入れた。インフラ事業などが好調で一時金の回答が5.35カ月分と1991年以来の高水準となった日立製作所などと明暗が分かれる形となった。

   自動車・電機に先立って報酬アップに動いたのが流通各社。コンビニエンスストア大手のローソンが20代後半から40代の「子育て世代」の一時金増額で年収3%アップと表明したのが先鞭となり、セブン&アイ・ホールディングスはグループ54社の正社員約5万3000人を対象にベアを含む賃上げに踏み切る。ファミリーマートやニトリなどもベアなどで報酬増を図る。各社とも共通して「消費意欲を後押しして業績アップにもつなげたい」と狙いを語っている。

   ただ、報酬アップが実現するのは大手企業の正社員に限られ、一見、景気良く大盤振る舞いに見える流通業などは、パートなどが多い業種。1990年代後半から全体の名目賃金が下がり続けているのは、これと反比例する形で非正規従業員が増加しているからに他ならない。一部の正社員が潤うだけでは消費増には力不足。非正規や中小企業の待遇改善がないまま、「黒田日銀による異次元の金融緩和」で物価が上がるような事態が起きれば、「アベノミクスの悲劇」となりかねない。

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