2024年 4月 28日 (日)

こっそり「飛ぶボール」に変更 日本野球機構ダンマリの「なぜ」

「国際標準」ぶちあげたがWBCでは採用されず

   統一球の反発係数の下限は0.4134という数値が定められているが、昨季のボールはこれを下回るケースがあったという。そこで今季は「基準値に戻す」措置を加えたというのがNPB側の言い分だ。だが何も知らされなかった選手はたまらない。投球や打撃に大いに影響するからだ。果てはチームの勝敗をも左右する。選手個人としては、ボールの変更で成績が落ちれば査定に響く。球界に激震が走った6月12日、各球団の監督や選手はマスコミの取材に対して具体的なコメントを避け、「与えられた環境で全力を尽くす」などと応じていた。

   加藤コミッショナーは統一球導入を提案した際、「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」のような国際大会で日本人選手がボールの違いに戸惑ったことがきっかけだと口にした。統一球を国際標準にして、世界の大会で採用してもらいたいともぶち上げた。だが2013年の第3回WBCでは統一球が使われておらず、結局はまたも日本人選手が「WBC球」の対応に苦慮する「悲劇」が繰り返された。菅谷氏は「NPBが『WBCこそプロ野球界にとって最重要』との方針を打ち出すなら、シーズン中にWBC球を使えばいい」と話す。要はNPB側のイニシアチブの問題というわけだ。

   ただし菅谷氏自身は、「日本人選手の体躯に合ったボールの仕様というものがあります。大リーグなど海外選手が使っている球をそのまま導入すればよいとは思いません」との意見だ。球団ごとに、ボールによって不公平が生じる芽を摘もうとの統一球の理念には賛同するが、今回のように「コミッショナーサイドで勝手に『法律』を変えておきながら公表もせず、選手に言われて『本当は変えました』と白状するのはあまりにもお粗末。球界全体の責任問題です」と厳しい。

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