2024年 5月 7日 (火)

阪神・藤浪、46年ぶりセ・リーグ高卒新人10勝到達 江夏以来の快挙で新人王の有力候補に名乗り

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   阪神の藤浪晋太郎が2013年8月31日の広島戦で10勝目を挙げ、新人王の有力候補となった。高卒ルーキーとしては抜群の成績で、先行していた巨人の菅野智之、ヤクルトの小川泰弘は大慌てである。

新人王争いは巨人・菅野、ヤクルト・小川との三つ巴

   藤浪の10勝目は6回を1点に抑えた立派な内容だった。登板ごとに進化している感じである。

「(10勝は)通過点と思っている。残りの登板でも頑張ります」

   試合後のセリフもプロの世界で何年も投げている投手のような言い回しだ。普通は2ケタ勝利に到達すると、実力者はひと安心だし、初めての投手は大喜びする。さすが大阪桐蔭高のエースとして甲子園で春夏連覇を達成した投手である。

   高校卒業の新人投手が10勝したのは楽天の田中将大が2007年にマークして以来。セ・リーグとなると、阪神の先輩である江夏豊が1967年に記録して以来、実に46年ぶりのこととなる。

   これで藤浪の新人王はかなり可能性が出てきた。

   振り返って見ると、菅野と小川が開幕から順調に勝ち、新人王争いはこの2投手に絞られていた感があった。藤浪は後発だったが、投げる試合を確実に勝って追い上げてきた。8月が終わった時点で、3投手の争いになった。

高卒はプラスに作用

   藤浪が新人王のチャンスをつかみかけている理由はいろいろある。

   まず後半戦の内容がいい。前半戦は6勝3敗だったのが、後半戦は4勝1敗。「和製ノーラン・ライアン」と言われる小川は前半戦10勝2敗だったのが後半戦2勝2敗。菅野も前半戦8勝2敗が後半戦は3勝2敗と、2人は失速気味だ。

   新人王は記者投票で決まる。

   新人王は、優勝に貢献することが絶対条件のMVPと違い、個人の成績がかなり重要視される。今年の場合、高校出と大学出の対決、大阪と東京の争い-ということになる。これがどう反映されるか。高校出で大阪の藤浪と大学出で東京の菅野(東海大)小川(創価大)の競い合いだ。

   ポイントは第1に勝利数。菅野、小川の大学出組と高校出の藤浪の数字を比べたとき、2~3勝差は同列と判断されるだろう。「18歳の少年がよくやった」と評価されるのだ。

   記者投票にそれが間違いなく現れる。投票数は東京の方が多いのだが、菅野と小川に割れることが予想され、藤浪でまとまる関西票がハンデを克服する可能性がある。

   新人王はどの選手も一度しかチャンスがない最も貴重なタイトルである。「甲子園の星」藤浪があと2勝上乗せすれば当確だろう。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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