2024年 5月 3日 (金)

アレバとキュリオンは結局「役立たず」 汚染除去の本命東芝製「アルプス」はいつ稼働

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トリチウム以外の62種類を除去

   ところが東電広報に聞くと、「アルプスの本格稼働時期は未定」だという。2012年8月下旬から試験稼働していたが、2013年6月に装置の処理タンクから水滴がたれた跡が見つかった。溶接部分の一部変色も認められ、アルプスは運転を停止し、原因究明のための調査が現在も行われている。

   アルプスへの期待は大きい。放射性物質のうち、トリチウム以外の62種類を基準値以下にまで除去できるためだ。日本原子力学会の事故調査委員会は9月2日に発表した最終報告書の中で、汚染水処理の対応として、トリチウムの濃度を十分薄めた後で海に放出する案を提示した。生態系での蓄積の影響が比較的小さいので環境リスクが抑えられるのに加えて、希釈排出の技術的な確実性が高いためだ。もちろんさまざまな議論はあるだろうが、国内外の理解を得られたうえで放出できた場合、汚染水を一気に減らせるめどがつき、問題解決に向けて前進するだろう。茂木敏充経済産業相は8月29日、アルプスの増設に国費を投じて9月中にも本格稼働を目指す考えを示した。

   現状は厳しい。毎日1000トンほどの地下水が1~4号機周辺に流れ込み、海に1日約300トンの汚染水が流出した可能性を、経産省が8月7日に示唆した。さらに地上の貯蔵タンクから汚染水が漏れていたと東電が発表、土壌にしみ込んで地下水に到達した恐れも出てきた。タンクそのものの劣化も懸念される。

   汚染水処理装置で問題のすべてが解決するわけではないが、少なくともアルプスが本格稼働しない限り現状打破への一歩は踏み出せない。安倍首相はIOC総会で「状況はコントロールされている……抜本解決に向けたプログラムを私が責任をもって決定し、すでに着手している」と世界に向けて発信した。「公約」した以上、事態打開のための方策の実施は待ったなしとなっている。

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