2024年 4月 28日 (日)

生保各社の運用計画、国債に回帰 長期金利安定で市場が落ち着く

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為替リスクがないので日本国債

   そんな生保各社にとって異次元緩和は衝撃だった。何しろ長期金利(10年物の新規発行国債の利回り)が過去最低水準にあるなかで、日銀が満期までの期間、全種類の国債を大規模に買いまくるというのだから、「どんだけ利回りが下がるのか」ということになる。

   生命保険は消費者との契約期間が20~30年の長期に及ぶ商品のため、運用先の国債も満期を迎える前に短期的に売り買いするのではなく、期間が長いものを満期まで保有して利回りを稼ぐパターンが多い。そのため、特に超長期債の利回りが低下することは経営を直撃してしまうのだ。

   また、国債市場が異次元緩和に驚いたため4月5日、長期金利が過去最低の0.315%をつけた後、同じ日のうちに0.620%にまで急上昇するという乱高下を演じた。「投資リスクが大きい」と判断した生保各社は4月下旬、より利回りの稼げる米国債などの投資を拡大する計画を公表した。

   ただ、日銀が国債を買う回数を増やすなど市場参加者との対話を踏まえた工夫を重ねた結果、今夏以降、長期金利の動きは安定してきた。「利回りは依然として低い水準にはあるが、外債には日本国債にない為替リスクがあることを勘案すれば日本国債がいい」(大手生保幹部)との判断に傾いたわけだ。

   この結果、下期の運用では、日本生命▽明治安田生命▽住友生命▽富国生命▽三井生命▽朝日生命の6社が国債運用を増やす計画を公表した。ただ、足元の長期金利は一時0.6%を割り込むなど低下傾向を強めており、「金利水準がさらに下がってそれが長引けば外債を増やす可能性もある」(別の大手生保幹部)との声がある。

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