2024年 5月 3日 (金)

生保逆ざや解消、経営が好転 でも、還元策に積極的でない社が多い理由

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

契約者への還元が今後の焦点

   とはいえ、バブル期に販売した予定利率の高い保険商品も、長寿社会で死亡保険はまだ残るが、契約時に保険料を一括払いし、一定期間後の保険金を受け取る「養老保険」のような貯蓄性保険は、時を追って次々に満期を迎える。バブル崩壊から20年も経てば、予定利率の高い契約者にとっては「お宝保険」も保険金が払われて消えていくため、逆ざや額も自然に減ってきた。足元の安倍政権の経済政策「アベノミクス」による円安も、外債配当の円ベースの額を膨らまし、逆ざや解消に貢献した。この結果、2013年9月中間決算で大手保険9社合計では、運用実績が予定利率を上回る「順ざや」に転じ、順ざや額は500億円近くに上った。

「(配当などの)契約者への還元も可能であれば前向きに考える」

   既に前年同期(2012年9月中間決算)に逆ざやを解消し、運用実績が予定利率を上回る「順ざや」だった明治安田生命保険の殿岡裕章副社長は、2013年9月中間決算発表の会見でこう述べ、順ざや定着に自信を示した。そうなれば、契約者への還元が今後の焦点となるのが道理だ。

   ただ、中間決算発表時の各社の反応を見る限り、日本生命や住友生命のように還元策には積極的ではない社が多い。円安など市場環境の好転で利益はあがっているが、若者の保険離れなどで保険料収入は減っており、経営の先行きに自信が持てないのだ。営業職員を多く抱えない損保・外資系生保の攻勢も激しく、大手生保のさらなる業績改善はハードルが高そうだ。

1 2
姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中