2024年 5月 4日 (土)

介護保険改革、来年度から ある程度の負担増は仕方がないのか

   医療と介護に関する制度改正を包括的に盛り込んだ「地域医療・介護確保法」が通常国会で成立した。

   介護保険制度については、2015年度以降、低所得の人の負担軽減と一定の所得がある人の負担増をセットで実施するほか、比較的軽度の「要支援」の人向けサービスを2015年度から3年間で市町村に移管することなどが決まった。地域に合ったサービスへの転換をうたっているが、担い手の確保など地域間格差が生じる懸念もある。

「要支援」は市町村事業に

   介護保険改革の主なメニューは、まず保険料の増減。低所得者は、基準保険料(全国平均月4972円)の軽減措置が50%減と25%減の2段階から、70%減、50%減、30%減の3段階に広がる。一方、高所得者は25%、50%増が、20%、30%、50%、70%増の4段階になる。

   介護を受けた場合の自己負担も増やす。年金収入が単身で年280万円以上(夫と専業主婦の妻のモデル世帯では359万円以上)など一定の所得がある人は1割負担から2割に上がる。対象は高齢者全体の20%になるといい、例えば自宅から車で送迎してもらい、施設で入浴などをするデイサービスを週3回受ける場合、利用者の支払額は月1万円から2万円に増え、特別養護老人ホームの施設利用料も、月2万8000円から上限の3万7200円に上がる。

   また、特養や介護老人保健施設(在宅復帰を目指すリハビリなどのための一時滞在施設)に入所する人の食事代や部屋代の補助も縮小。現在は住民税非課税世帯など所得が少ない層には補助が出るが、2015年8月から、単身で1000万円超、夫婦で2000万円超の預貯金を持つ人には補助を出さない。

   サービス面では、「要支援」向けの通所・訪問介護を、介護保険の対象から外して市町村事業に移管する。地域に合ったサービス提供でムダを減らし給付費の伸びを抑えるのが狙いだ。入居を希望する待機者が52万人いる特別養護老人ホームについては、新たな入居者を、原則として要介護の程度(5段階)を「要介護3」以上とする――といった具合だ。

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