2024年 4月 27日 (土)

ニュースアプリ「グノシー」赤字13億9300万円 強気の拡大戦略、成功と失敗の分岐点にある

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ニュースと連動する新サービス・アプリが望ましい

   井上氏は、「アプリビジネスの場合、会員を集めたらそれを何に使うかが基本」と指摘する。端的に言えば、新しいアプリやサービスを投入して利用者を囲い込む必要がある。例えばグノシーと連動するようなサービスが新しく加われば、ニュースの閲覧数が増えて広告媒体としての魅力も増すといった相乗効果が期待できる。ヒット作となれば、さらなるユーザー拡大につながるかもしれない。ニュースは「ネットでも人気の、外さないジャンル」(井上氏)だけに、内容次第でビジネス拡張が望めそうだ。

   ただ、今のところグノシーには新サービスの気配はない。むしろ木村共同CEOは、2014年度内に「英語圏30か国でサービスを開始したい」(4月28日付「日経MJ」)と、ニュースアプリそのものに注力していく姿勢を見せている。これについて井上氏は、「ニュースのまとめ読みは、ヤフーニュースを筆頭に各種アプリなど、斬新なアイデアとは言えません。現状では話題になっているニュースアプリですが、次々と競合サービスが生まれている状況です」と指摘する。「次に何をしたいんだろう」というものが見えてこないと、利用者はそのうち他社のサービスに乗り換えてしまうというわけだ。

   最後に井上氏は、こう警鐘を鳴らした。

「類似の例は、1990年代後半の『ビットバレー』の時代から何度も見られました。グノシーは今、成功と失敗の分岐点にあると言えるでしょう」。
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