日本で開発した「エボラ特効薬」にパクリ疑惑  中国で同成分の薬を製造とWHOが指摘

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   富士フイルムホールディングス(HD)傘下の富山化学工業が開発し、エボラ出血熱の「特効薬」として期待が高まっている抗インフルエンザ薬「アビガン錠」(一般名、ファビピラビル)と同じ成分のクスリが、中国で製造されていることがわかった。

   アビガン錠は、エボラ出血熱の治療薬としては未承認だが、ウイルスの増殖を防ぐ作用があり、エボラ出血熱にも効果があるとみられている。富山化学は中国でアビガン錠の物質や製造、用途の特許を出願。2006年に特許が成立している。

富士フイルム「現在、情報収集しているところです」

中国の「JK‐05」は、「エボラ特効薬」の期待が高い「アビガン錠」と同じ成分だった!
中国の「JK‐05」は、「エボラ特効薬」の期待が高い「アビガン錠」と同じ成分だった!

   富士フイルムによると、中国の「JK‐05」と呼ばれるクスリが、「アビガン錠」と同じ成分であるとの指摘は、2014年9月に開かれた世界保健機構(WHO)の専門家会合でわかった。

   この会合には同社の社員が出席していたほか、「議事録の『JK‐05』の記述の中に『T‐705』(アビガン錠の開発品コード)の記載があったことを確認しています」という。

   「JK‐05」について、富士フイルムは「現在、事実関係を確認中で、情報収集しているところです」と、困惑ぎみだ。

   アビガン錠の物質や製造技術が特許に抵触する可能性は高く、開発情報が中国側に漏れていた疑惑も指摘されている。経済情報誌「FACTA」11月号は「中国に盗まれた『エボラ特効薬』」の見出しで、アビガン錠と同じ成分の「JK‐05」が「特許法違反にあたる」と指摘。「中国の研究機関が富山化学の成果を掠め取り、軍需品として製造を開始していた」とみている。

   当の富士フイルムは、特許侵害についても「事実関係がはっきりしないので、今のところわかりません」との話しにとどめている。

   アビガン錠が厚生労働省の承認を得たのは、2014年3月。富山化学が承認を申請したのは11年3月で、通常は申請したクスリの審査期間は1年ほどだが、アビガン錠は妊婦などに服用できず、用法や用量が確定していないためになかなか承認が得られなかった。承認には、じつに3年を要した。

   そんなアビガン錠と同じ成分のクスリが、中国で開発されていたというのだ。

   中国や欧米の報道を総合すると、中国の「JK‐05」も抗インフルエンザ薬で、中国人民解放軍の軍事医学科学院と四環医薬が共同開発。現在、認められているのは緊急時の軍での使用のみだが、四環医薬は中国での一般利用に向けて当局に申請を行うことで軍事医学科学院と合意しているとされる。

   10月17日付のWant China Timesは、「薬剤は数千人単位の人命を救うだけでなく、世界的に中国の製薬会社に大きな名誉となることは明らか」と書いている。

   また、同日付のロイター通信は、四環医薬がアフリカでエボラ出血熱への対応を支援している中国人向けに「JK‐05」を供給する、と報じていた。

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