2024年 4月 19日 (金)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
トップ1%の年収は1300万円 意外に小さい日本の格差

「もう少し勉強したほうがいい」民主党

   先に挙げた「トップ1%の年収1300万円」は、正確に言えば1280万円だが、意外に低いと思っている人が多いのではないか。ちなみに、日本のトップ10%、トップ5%、トップ0.1%、トップ0.01%の年収は、それぞれ576万円、751万円、3261万円、8057万円だ。これも予想外に低い数字だろう。

   上に掲げたサイトでは、いろいろな国のデータがある。例えば、アメリカで、トップ10%、トップ5%、トップ1%、トップ0.1%、トップ0.01%の年収はそれぞれ、11.2万ドル、15.8万ドル、37.2万ドル、155万ドル、721万ドル。日本円に換算すると、1330万円、1880万円、4430万円、1億8400万円、8億5800万円。

   おそらく、多くの人は、「格差」といえば、アメリカのデータのほうが納得できるだろう。日本のほうが、アメリカより格差が小さいわけだ。

   年収に関する他人の情報がほとんどない中で、ピケティ本のデータは、多くの人は「格差」が大きいと思っているが、日本の場合、実際の格差は意外と小さいということを示している。

   民主党は、ピケティ本を格差問題のバイブルでもあるかのように扱っているが、データだけを見ると、それほど民主党の肩を持っていない。もう少し勉強したほうがいいだろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)、「図解ピケティ入門」(あさ出版)など。


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