2024年 4月 26日 (金)

貧乏老人、エアコンつけずに熱中症の危機 電気料金節約のため無理するケースも

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エアコン、1か月つけっぱなしで1万円近くに

   一方、熱中症で搬送される人の半数以上が高齢者とされ、しかも屋内で倒れるケースが少なくない。東京都福祉保健局によると、熱中症で死亡した人は2014年夏(6~9月)に、東京都23区内だけで38人。このうち、屋内で死亡した人は34人で、しかも夜間に亡くなった人は13人もいた。

   死亡した38人を年齢別でみると、最も多かったのは70歳代で12人、次いで80歳代が11人、60歳代は10人と高齢者ばかり。男性のほうが多い。

   さらに屋内で亡くなった人のうち、単身住まいは23人。このうち、エアコンがあったのは2人で、なかったのは18人にのぼった。家族と同居していて、エアコンがなかった人(11人)をあわせると85.3%にエアコンがなかったのだから、「エアコンなし」が明らかに熱中症のリスクを高めているといえそうだ。

   ふだんは昼にエアコンを使っても、夜はエアコンを切ったり、扇風機で済ませたりして、寝ている人はいるはずだが、最近は夜間になっても気温が下がらない熱帯夜が少なくない。エアコンを使わなければ眠れないという人もいるだろう。

   そうなると、気になるのがエアコンにかかる電気代だ。東京電力によると、一般家庭の場合、エアコン(1000Wの場合)を1日中つけっぱなしにすると、電気代は約480円になる。機種や耐用年数などによっても変わるが、一般にエアコンは冷蔵庫とともに電気代がかかる家電製品とされる。

   仮に1か月つけっぱなしだと、エアコンだけで1万円近くかかりかねないのだから、生活保護の単身住まいの高齢者が「ガマン」したくなる気持ちはわからないでもない。

   高齢者が熱中症に罹る原因は水分不足がほとんど。高齢になると暑さを感じにくくなったり、のどの渇きに鈍感になったりもするという。

   暑さを感じないからエアコンをつけない、のどが渇かないから水分を摂らない。これまで「エアコンなし」で過ごしてきたため、「わざわざ使う必要がない」、ひとり暮らしで周囲に気を遣うことがないので、「自分さえガマンすれば、なくてもいい」と考えてしまうこともあるらしい。

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