2024年 5月 3日 (金)

農業と食料供給のための技術を提供し、「遺伝子組み換え作物」への不安、解消していく
モンサント 山根精一郎氏に聞く

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大豆を輸入できない時代がくるかもしれない

――日本は既に遺伝子組み換え作物の一大輸入国となっています。なぜそれほどの量が必要なのでしょう。

山根 専門家の推計では、年間約1600万トンの遺伝子組み換え作物が輸入されています。国内でのコメの年間生産量が約800万トンですから、その倍に当たります。油類として商品化されている一方、多くは家畜の飼料として使われており、その肉や牛乳、卵を私たちは食べています。
   ではなぜ日本で相当な量を輸入しているのか。農林水産省は、日本が現在輸入している穀物を国内で自給するのは不可能だと報告しています。遺伝子組み換え作物の輸入を止めれば国内の畜産業もストップし、消費者は現在のような形で肉や卵を食べられなくなってしまいます。輸入による食料をどうやって確保していくかも、日本が抱える課題だと思います。
   1つの例が大豆です。日本では年間約300万トン輸入していますが、1990年代後半からは中国で、肉食が増えて大豆の輸入が盛んになりました。その量は、今日では5000万~7000万トンに上ります。こうなると、今後生産国で大豆が不作にでもなれば、大豆を輸入できない時代が来るかもしれません。
   今日、遺伝子組み換えの大豆により生産国の収量は以前より増加しています。中国がこれほど大量の大豆を輸入しても日本が必要量を確保できるのは、遺伝子組み換え技術による作物の増産が寄与している面もあります。穀物を安定的に輸入し続けるうえでも、遺伝子組み換え作物が果たす役割は小さくないと言えるのではないでしょうか。
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