補正予算による景気対策にも含み
安倍政権が「最優先課題」と位置づける経済政策をめぐっては、すでに首相周辺から大型経済対策を求める声が出ている。本田悦郎内閣官房参与(明治学院大学客員教授)は、8月11日のウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで15年4~6月期の国内総生産(GDP)が予測通りに低調であった場合、3兆円超の景気対策を実施すべきだと主張している。8月17日に発表された15年4~6月期のGDP速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.4%減、年率換算では1.6%減だった。
会見では、ウォール・ストリート・ジャーナルの記者が、この「3兆円」という金額をどのように評価するかを質問。安倍首相は現時点での景気について「鈍い動きも見られるが、緩やかな回復基調が続いている」という認識を示しながら、補正予算による景気対策にも、
「現時点では考えていないが、経済動向をよく注視し、機動的な経済財政運用をして万全を期していく」
と含みを持たせた。
安倍首相は9月24日の会見で、14年度に約490兆円だった名目GDPを今後600兆円にまで増やす目標を掲げている。