2024年 4月 30日 (火)

女子マラソンの生中継中、増田明美が突如号泣 その後はすすり泣きが聞こえただけで、解説には戻らず

   2016年1月31日に行われた第35回大阪国際女子マラソンの生中継中、トップを独走していた福士加代子選手(33)がゴール手前1キロになったあたりで、解説をしていた元五輪女子マラソン代表の増田明美さん(52)が突然泣き出し、以降は解説も番組の露出もなかった。

   増田さんといえば選手の交友関係や趣味といったパーソナルデータまで織り交ぜて説明する名解説者だ。プロ中のプロが解説できなくなるほど泣いたのはなぜなのか。一方、「もらい泣きした」といった感想もネット上に多く出ている。

  • 福士加代子は2016年1月31日に行われた大阪国際女子マラソンで2時間22分17秒で優勝し、リオ五輪出場を決定付けた。(写真は同日生放送された関西テレビホームページのスクリーンショット)
    福士加代子は2016年1月31日に行われた大阪国際女子マラソンで2時間22分17秒で優勝し、リオ五輪出場を決定付けた。(写真は同日生放送された関西テレビホームページのスクリーンショット)
  • 福士加代子は2016年1月31日に行われた大阪国際女子マラソンで2時間22分17秒で優勝し、リオ五輪出場を決定付けた。(写真は同日生放送された関西テレビホームページのスクリーンショット)

マラソンをやる理由は、「弱い自分に勝ちたくてやっている」

   増田さんの取材力には定評がある。現場に足を運びとにかくしつこいくらい話を聞くらしい。選手のホームページも常にチェックし、実業団だけでなく中高校生といった選手にも詳しい。そんな増田さんが関西テレビ系「第35回大阪国際女子マラソン」全国放送の解説者として登場し、その博識ぶりを披露した。福士選手に関しては、20.3キロ地点で背中を手で押さえる仕草があり、実況アナウンサーが福士選手に故障が起きたのかと驚きの声を上げると、

「背筋が最近凝ってしまうんですよ。練習でもそんな仕草があるため問題はありません」

と解説した。32.5キロ地点では、こういった。

「やっとね、マラソンを自分のものにしたという感じですよね。マラソンを『奏でている』と言っています。マラソンをしている瞬間瞬間が楽しくなって来るんです」

   そして、

「もともと福士さんは競技相手が人じゃないですものね。マラソンをやる理由は、弱い自分に勝ちたくてやっている。1キロ3分24秒くらいでゴールに刻んでいけたら、自分に勝てることになります」

と説明した。福士さんは、3000メートル、5000メートル、ハーフマラソンは日本記録保持者で、1万メートルは6連覇している。しかし、マラソンは期待されながら、08年大阪国際では何度も転倒するなど悪夢のような初レースになり、オリンピック選考では二度の挫折、この8年は納得のいくレースは無かった。

   福士さんは8年前にゴールの陸上競技場へ入る手前で転倒している。アナウンサーが、

「周回道路を歩んでいましたけれど、あの時とは違うこの福士選手の走りということになりますね。2012年、2度目の五輪選考会まさかの失格。しかし、諦めなかった!!」

と増田さんに語りかけると、急に涙声になり、

「よかったですね・・・」

とだけ言った。その後はすすり泣きのような声が聞こえただけで、解説には戻らなかった。エンディングでも増田さんの姿だけなかった。

「福士選手の姿に、ご自身を投影されたのではと...」

   ネット上では「良かった 。増田の涙でもらい泣きしたわ」などといった声が多く、

「増田さんなぜか号泣してたよね。中継中にあんななるなんて珍しいな」
「増田さん我慢してたのだけど爆発したのだろうな。GOAL後のスタジオに出られないほどw 俺も涙が止まらなかった。 今も思い出し涙が流れる」
「ゴール直前で増田さんが泣きだして嗚咽が聞こえてきた時に自然と涙が出た俺。だからゴールした時に福士が泣くと思ってたんだよねw そしたらあのキャラwww」

などといった意見が掲示板やツイッターに出ている。なぜ増田さんは声が出なくなるまで泣いてしまったのか。ネット上では福士さんの苦労を充分に知っているからなのだろう、という見方が多い。また、

「増田さんも現役時代、苦渋の連続だったしね 福士選手の姿に、ご自身を投影されたのではと...」

といったものもある。増田さんは高校3年の時に5000メートル、1万メートルといった長距離走で次々に日本記録を樹立し、初のフルマラソンを日本記録で優勝した。国民の大きな期待を集めたが、その後は苦難の連続だった。特に大阪国際マラソンとは相性が合わず、1983年と1992年は途中棄権、1988年は30位だった。また、1984年のロサンゼルス五輪でも途中棄権している。

   そんな苦労をした増田さんにとって、福士さんの今回の優勝は他人事ではなかったのだろう。

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