2024年 4月 29日 (月)

新「デフレの勝ち組み」 勝利の方程式とは

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   本格的な賃金上昇がなかなか実現しないなか、大規模な金融緩和政策を続ける日銀を尻目に消費者の節約ムードがじわり高まり、物価上昇どころかデフレが再来している気配もある。そんななか、低価格路線で客を引きつける「デフレの勝ち組」が勢いを持ち、改めて見直されている。

   仕事を終えて帰宅途中、1人で簡単なつまみを食べながら少し酒を飲む「ちょい飲み」。小遣いに限りがあるなか、居酒屋あるいはスナックなどで酒を飲まずにラーメン店などでこうした「ちょい飲み」を楽しむサラリーマン(女性も少なくないらしい)が増えている。この「ちょい飲み」需要の追い風を受けて業績を拡大しているのがラーメンチェーン「日高屋」を展開するハイデイ日高(東証1部上場)だ。

  • 仕事終わりに1人でぐびっと(画像はイメージ)
    仕事終わりに1人でぐびっと(画像はイメージ)
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アルコール類の利益率

   ハイデイ日高が2016年9月28日に発表した16年8月期中間単独決算は、純利益が16億円と、過去最高を更新した。通期については16年2月期まで12期続けて過去最高益を更新中だ。もともと「中華そば」が390円(税込み、以下同じ)と、ラーメン店として格安が売り。ビールはジョッキ生1杯310円。ラーメン、餃子(210円)、ビールを合わせても900円ほどで済んでしまうという財布への優しさ。ビールは分量が確定し値段を比較しやすい「中瓶」で430円と、アルコールの価格も安い。ちなみにファミリーレストランのロイヤルホストでビール(中瓶)を頼むと600円前後かかる(店によって違う)。

   ハイデイ日高のルーツはさいたま市。屋号の「日高屋」、社名の「ハイデイ日高」は創業者の出身地、埼玉県日高市に由来する。店舗のほとんどは首都圏展開のため、関西圏などでは知る人は少ないかもしれないが、店舗の立地は都心の駅前雑居ビルの1階が多く、帰りがけに電車に乗る前にちょっと立ち寄る――という人が入りやすい。今(16)年8月末時点の直営店舗は390店舗。「首都圏600店」の目標に向かって駅前の物件探しに余念がない。

   材料費や調理などにコストや手間がかかる料理と違ってアルコール類は利益率が高いため、ハイデイ日高はさらに「ちょい飲み」需要を取り込もうと動いている。例えば赤提灯を店先につるす。あるいは、ずばり看板に「ちょい飲み」と掲げる。飲んだ後のシメのラーメンではなく、「1軒目」であることをアピールする狙いだ。現在のハイデイ日高の売上高にアルコール類が占める割合は17%程度で、1割を切るとされる一般的なラーメン店より高めだ。

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