2018年 11月 22日 (木)

【男と女の相談室】大谷翔平の活躍は肝臓に秘密? 運動効果の個人差解明が衝撃的

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   「運動神経がないから、学校の体育の時間がツラかった」「運動部でいくら頑張ってもレギュラーになれない」――プロ野球・大谷翔平選手のように投手と打者の「二刀流」で大活躍する人間もいれば、「運動音痴」に悩む人間もいる。

   いくら頑張っても運動効果に個人差がある原因の1つを金沢大学などの研究チームが解明し、米総合医学誌「Nature Medicine」(電子版)の2017年2月27日号に発表した。実は、「運動神経」の問題ではなく、肝臓から分泌されるホルモンが運動効果を台無しにしており、もしホルモンの働きをなくすことができれば、「金メダル」も夢ではないという驚きの成果だ。

  • 投打の「二刀流」で活躍するプロ野球の大谷翔平選手(2017年1月撮影)
    投打の「二刀流」で活躍するプロ野球の大谷翔平選手(2017年1月撮影)

いくら運動を頑張っても上達しない人がいる

   金沢大学の2月27日付発表資料によると、同大学の研究チームは、以前から糖尿病など生活習慣病の予防や治療に運動が推奨されながら、運動療法の効果にはかなり個人差があり、なかなか効果があがらない人がいることに着目していた。そして、肝臓から分泌されるホルモンの1つ「セレノプロテインP」が、骨格筋に作用し運動を行っても効果を無効にする「運動抵抗性」という病態を起こしていることを発見した。

   今回の研究では、その「運動抵抗性」のメカニズムをマウスや人間の実験で突きとめた。まず、正常なマウスと「セレノプロテインP」を生まれつき持たないマウスに1日30分走らせる実験を1か月間続けると、「セレノプロテインP」を持たないマウスは、正常マウスの約2倍も長く走った。同じ時間運動したのに、その効果が倍増したのだ。また、正常なマウスに「セレノプロテインP」を投与して、体内の濃度を過剰にすると、運動のさまざまな効果を示すリン酸化現象が低下することがわかった。

   そこで、運動習慣がまったくない健康な31人の女性に協力してもらい、ウオーキングとサイクリングンの有酸素運動を8週間続けてもらい、運動効果を調べた。運動効果は最大酸素摂取量で測った。運動中に体内に摂取される酸素の単位時間当たりの最大値で、持久力を必要とするマラソン選手などは値が高い。すると、全体では最大酸素摂取量が高まったが、トレーニングをしてもあまり高まらない人が約3分の1いた。その人たちの血液中の「セレノプロテインP」の濃度が調べると、効果が上がった人に比べ、濃度が高かった。

「金メダル選手を作ることも可能になる」

   それにしても、この研究成果は驚くべき内容である。肝臓から分泌されるホルモンが、本人の努力とはほとんど関係なく運動効果に影響を与えているというのだから。J-CASTヘルスケアは研究チームの御簾博文准教授(内分泌代謝内科学)に取材した。すると、メールで次のような回答が返ってきた。

――運動しても効果が上がらない人はどのくらいの割合でいるのでしょうか? つまり、今までは「運動音痴」とか「運動神経がない」と思われていた人が、実は「運動抵抗性」に問題があったという側面はありますか。

御簾准教授「今回の臨床研究では、まったく運動習慣のない健康な閉経後女性31人を対象としました。この研究では約3分の1の方が、運動トレーニングをしても有酸素運動能は上昇しませんでした。『運動神経がない』と思われていた人が、実は『運動抵抗性』に問題があった、という可能性はあると思います」

――31人の臨床試験では、トレーニング効果が上がらない人のセレノプロテインP濃度が高かったとありますが、濃度の高さは生まれつきなのでしょうか。

「セレノプロテインP濃度は、おそらく生まれつきの要素もあると思うのですが、日本人では先天的要因があるかまだわかっていません (現在、先天的要因については検討中です)。確かなことは、糖尿病・肥満(脂肪肝)・高齢になりますと、セレノプロテインP濃度は後天的に上昇してくるということです」

――今回の研究では、セレノプロテインP欠損マウスが通常マウスの2倍の運動効果を上げています。考えようによっては、セレノプロテインPを分泌しない選手を作れば金メダルも可能というわけで、世界のスポーツ界に衝撃を与える成果だと思いますが、その点はいかがなのでしょうか?

「これは、まったくおっしゃるとおりです。セレノプロテインPを下げる薬あるいは効かなくするような薬を作れば、スポーツ選手の成績が向上することが期待されます」

食生活やトレーニングで「運動抵抗性」を減らせるか?

――病気の人への運動療法の効果の面で画期的な研究ですが、一般の健康な人が運動効果を上げる点では、今回の研究はどういう意味を持ちますか。たとえば、トレーニング方法や食生活などの改善によって、「運動抵抗性」を減らし、さらに運動効果を上げることは可能ですか。

「重要な質問と思いますが、今のところ日常生活でセレノプロテインPを下げられるような方法が見つかっておりません。我々の患者さんやマウスの検討では、有酸素運動を繰り返してもセレノプロテインP濃度そのものを下げることはできませんでした。より強い高強度の運動がセレノプロテインPを下げるかどうかは、今後の検討課題です。また、理論上はセレン(編集部注:必須微量元素で、セレノプロテインPはセレンを多く含む)を制限した食事を食べるとセレノプロテインP濃度が下がるはずなのですが、セレンはあまりにも多くの種類の食べ物に含まれているので、食事で制限するのは事実上無理かと思っています」

――今後の研究課題としてセレノプロテインPの働きに対抗する「運動強化増強薬」を開発するとありますが、詳しく聞かせください。

「ひとつ使えそうなものとして、糖尿病ですでに臨床で使用されているメトホルミンという薬剤(内服薬)が肝臓でのセレノプロテインPの産生を低下させることをすでに我々は報告しました。しかし、メトホルミンを飲むといくらか血中濃度が下がるのですが、正常範囲にまでは下がらないことがわかりました。より強力にセレノプロテインPを低下させる薬を現在探している最中です。もうひとつの候補は、セレノプロテインPの中和抗体です (共同研究者である同志社大の斎藤芳郎先生が開発)。これは注射すると数日から数週にわたってセレノプロテインPの作用がなくなるというものです。糖尿病の治療薬としてはかなり有効だと考えています」

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