2024年 5月 6日 (月)

末期がん患者にもウオーキングを 「生活の質」が改善、気持ち前向きに

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「ソファーに座るだけだった私が、外に出たくてたまらない」

   さて、「BMJオープン」誌の論文によると、研究チームはウオーキングが、がんがかなり進行した患者の「生活の質」の改善にも効果があるかどうか調べた。これまで末期がんの患者の運動効果を調べた研究はほとんどないという。再発・転移性の乳がん、前立腺がん、胃がん、結腸がん、子宮体がん、血液がんなど65歳以上の患者42人の協力を得て、次の2つのグループに分けた。

(1)少なくても一日おきに30分以上のウオーキングをすることを24週間続ける19人。また、毎週1回、ボランティアがウオーキングを指導するグループ講習会に参加する。
(2)通常の身体機能維持の治療・療法を24週間続ける23人。

   参加者全員には毎週1回、インタビューを行ない、体調、食欲、気分、幸福度、満足度、不安など「生活の質」に関する質問をした。調査期間中に病状が悪化して2人が死亡、2人が参加できなくなった。その結果、ウオーキングの患者の方が様々な項目で「生活の質」が明らかに向上した。それまで、1日に数分間しか歩けなかったのに、2~3時間も歩く人が出た。歩数計の数字が伸びるのがうれしくなり、菓子や糖分を多く摂(と)る食生活を改め、やせる人もいた。ウオーキング組12人のうち9人が「歩いてよかった」と答えた。見舞いに来た家族や知人と一緒に歩くようになった女性は研究者のインタビューにこう語った。

「ソファーに座ることしかなかった私が、外に出たくてたまらなくなるなんてびっくりです」

   研究者たちにとって「うれしい誤算」も出た。ウオーキング効果の比較対照のためだった「歩かない」グループの人の中に、ウオーキングの人々を見習って歩き始める人が出たのだ。このため、研究の「有効性」の数値が揺らぐ結果となった。いずれにしろ、ウオーキングが末期がん患者に希望を与える効果があることは確かで、研究チームは論文の中で「ウオーキングはタダで、いつでもできる運動です。進行がんの患者にも勧めていきたい」とコメントしている。

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