2024年 5月 6日 (月)

末期がん患者にもウオーキングを 「生活の質」が改善、気持ち前向きに

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がん治療中に運動すると、化学療法の効果が上がる

   日本の医療関係者もがん患者にウオーキングを勧めている。一般社団法人「あきらめないがん治療ネットワーク」のウェブサイト「がん治療中・治療後の生活の質(QOL)を高める運動療法」では、ウオーキングの重要性をこう説明している(要約抜粋)。

「がん治療を受けるために、安静にして体力を温存しなければならない場合もあります。しかし、近年の国内外の研究により、がん治療中や治療後の患者さんも適度な運動を行うことで、体の代謝が活発になって免疫機能が高まり、ストレスが減るため、QOLを高めることがわかってきました」
「つらい治療を受けていると、気持ちが落ち込みがちになります。そして不活発になり、体力が低下する悪循環になります。治療を受けるためにも運動は必要です。米国がん学会のガイドラインでも、がん治療中に運動すると、化学療法の完了率が上昇することが報告されています。治療の面でもいい効果を及ぼします。治療前に運動をしていた人はぜひ再開しましょう。がんになる前に運動習慣のなかった人は、これを機に運動を生活習慣にしましょう」

   ところで、がん患者が運動をする場合、どんな点に注意したらよいだろうか。国立がん研究センター・がん対策情報センターが発行した小冊子「がん療養とリハビリテーション」(ウェブサイト上でも公開)では、ウオーキングやエアロバイクなどの有酸素運動1回20~30分間を週3~5回、ストレッチなどの軽い筋肉トレーニングを合わせて行なうことを推奨している。その際、次のような場合は、注意することが必要だと指摘している。

(1)貧血が強い場合。貧血が良くなるまで、日常生活以外の運動は控える。
(2)免疫機能が低下している場合。白血球数が安全なレベルに回復するまで、スポーツジムや多くの人が集まる場所に行くのを控える。
(3)放射線治療を受けている場合。プールで塩素に触れると皮膚症状が起こる恐れがあるので水泳は避ける。
(4)カテーテルを留置している場合。感染を起こす可能性がある水中や細菌で汚染した場所での運動を避ける。また、運動中にカテーテルがはずれないように注意する。

   (3)と(4)は主に水泳を行なう場合の注意点だ。(2)も人があまりいない場所なら心配は少ない。いかにウオーキングが有効な運動かわかるだろう。

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