2024年 5月 3日 (金)

教育無償化めぐり自民党内バトル マスコミ巻き込み「財源論争」

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教育国債案との違い

   他方、下村博文・幹事長代行(元文部科学相)ら自民党文教族を中心に2月から議論を始めた検討会議では、「教育国債」発行案が浮上している。使途を教育に限定するものだが、赤字国債に変わりはなく、次世代にツケを回すことになる。そこで自民党内には、利子がつかない代わりに、遺産相続の際に額面分の相続税を免除する無利子国債を発行する案もあるが、恩恵が富裕層に偏る上、相続税収も減って、結局は借金が増えることになるとされる。

   また、財源としては消費税増税など税制改正で賄うのが本来の姿だが、現実には、2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げの増税分の使途は決まっていて、教育のために使うにはさらなる増税が必要になり、ハードルは高い。

   今回のこども保険の提言は「今以上の国債発行が、将来世代への負担の先送りに過ぎないことは明白だ」と謳っていて、教育国債へのアンチテーゼという狙いが鮮明だ。小泉氏らは、こども保険導入の一方で、医療や介護の保険料は支出を抑制して引き下げることも目指しており、高齢者に偏りがちな社会保険に子ども向けの保険を加えてバランスをとることも視野に入れている。

   ただ、教育国債に問題があるとしても、こども保険の問題点も指摘される。そもそも社会保険は病気や老後生活というリスクに備えて掛け金を出し合う制度で、税で賄われる児童手当などとは理念が異なる。保険方式は税金を納めない低所得層も一定程度負担する一方、高額所得者の保険料でも所得税ほど累進性がないので比較的負担が軽くなる。逆進性でいえば、消費税も低所得者ほど負担率が高くなるという点で共通する面がある。

   また、子どもがいない世帯も保険料を支払うことに批判が根強い。もちろん、教育国債であれ消費税増税であれ、高等教育に進学しない人はメリットがなく、国債の返済や税の負担だけは負うことになり、子のいない親も負担する保険と同様の問題は残る。

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