村田諒太「不可解敗北」にWBA会長が激怒 仏メディアもエンダム勝利は「まったく予想されず」

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   「試合の内容は第三者が判断すること。僕自身が勝敗について言うのは違う」。村田諒太(31)=帝拳=は試合後そう冷静に述べたが、敗北の判定に「気持ちの整理が必要」とどこか受け入れられずにいるようだった。

   ボクシングWBA世界ミドル級王座決定戦。4ラウンド(R)で奪ったダウンなどから、村田が優位に試合を進めていたと見た視聴者・関係者・メディアは多く、判定に国内外で疑問が噴出した。世界ボクシング協会(WBA)のヒルベルト・メンドーサJr.会長は採点に「怒り」を露わにし、「委員会に再戦を要求する」と発信。さらに、勝利したアッサン・エンダム(31)の母国・フランスのテレビ局でも、「村田勝利」の判定を下している。

  • アッサン・エンダム(左)に右ストレートを打ち込む村田諒太(写真:アフロスポーツ)
    アッサン・エンダム(左)に右ストレートを打ち込む村田諒太(写真:アフロスポーツ)

「有効打をとる審判と手数をとる審判に分かれる」

   WBA世界ミドル級2位の村田と同1位のエンダムによる王座決定戦は、有明コロシアムで2017年5月20日に行われた。12年ロンドン五輪で金メダルを獲得した村田は13年にプロに転向し、4年間で12戦12勝(9KO)の実績を打ち立てて、世界タイトルマッチの舞台に立った。

   世界ランク1位を相手に村田は堂々たる戦いを見せた。4Rには磨き上げた右ストレートをエンダムのあごに直撃させ、ダウンを奪った。7Rにも右ストレートが決まり、たまらずエンダムはクリンチ。直後にもガードをかいくぐる村田の右が入り、ロープにもたれさせた。逆にエンダムのパンチが村田にクリーンヒットしたり、村田が体勢を崩したりする場面は限られていた。

   12Rを終え、村田からは自然と笑みがこぼれたが、判定はまさかの結果を伝えた。3人のジャッジはそれぞれ、エンダムと村田に110-117、116-111、115-112の採点を出し、2-1でエンダムをタイトルホルダーに選んだ。

   ジャッジは、米国のラウル・カイズ・シニアと、パナマのグスタボ・パティージャ、カナダのヒューバート・アールの3人。判定は8R終了時で村田の2-1だったが、両者の明暗は残り4Rで分かれた。村田が圧力をかけ重いパンチを出した一方、エンダムは足を動かし軽いパンチを出すなどアウトボクシングに徹した。

   日刊スポーツ21日付紙面によると、世界戦で107試合の審判経験を持つ元レフェリーの森田健氏は「今の採点基準はあいまいで、有効打をとる審判と手数をとる審判に分かれる。今回は手数をとる審判が2人いた」と分析している。

WBA会長「公正な採点がされなかったことに怒りを覚え、不満を抱いている」

   ボクシングの採点はラウンドごとに10点満点の減点方式で行われ、試合を見ながら自分で採点する関係者やメディアは多い。参考までに、財団法人・日本ボクシングコミッション(JBC)公式サイトには以下のように採点基準の説明がある。

・互角...10対10
・一方が勝っている...10対9
・一度のダウンやこれに近いグロッギー状態(パンチを受けてふらふら)...10対8
・2度のダウンやKO寸前...10対7
・3度のダウン...10対6

   WBAのヒルベルト・メンドーサJr会長もこの試合を採点しており、21日にツイッターで自身の採点表を公表。そこでの判定は、117-110で村田の勝ちだった。会長はその上で、

「公正な採点がされなかったことに怒りを覚え、不満を抱いている。私の採点では、村田が117-110で勝っていた。まず初めに、村田諒太と帝拳、そして日本のボクシングファンにおわびしたい。いかにして、ひどい判定のダメージを修復すればよいのか、言葉が見つからない。私はチャンピオンシップ委員会に再戦を要求する」

と投稿した。メンドーサ会長の再戦要求はWBA公式サイトでも報じられており「WBAは選手、ファン、ボクシング界にとって広く利益になることをしたい」と記述している。

母国・仏メディア「エンダム、予想外の世界チャンピオンに」

   試合はエンダムの母国・フランスのテレビ局「Canal+ Sport」でも放送されたが、ここでも採点は118-108で村田勝利だった。村田に9点がついたのは2つのラウンドのみで、うち1つは村田が様子見であえてほとんど打ちに行かなかった1Rだった。このテレビ放送の動画がユーチューブにアップされると、試合内容と結果を見たユーザーが世界中からコメントを寄せた。

「私はフランス人で、エンダムを応援していたが、この結果は強奪だ...明らかに村田が勝っていた」
「間違った判定」
「村田は完全に強奪された。エンダムは怖がっていたから、逃げ回りながらジャブを打っていたに過ぎない」
「何だこの結果は? エンダムは5R以降何度もロープにもたれかかっていた」

   仏ラジオ局「Europe 1 Sport」のニュースサイトも20日、「エンダム、予想外の世界チャンピオンに」という見出しで報じた。「エンダムの勝利はまったく予想されていなかった。4Rには村田によってマットに沈められた。村田はより正確なパンチを打っており、積極的だった。エンダムはあと2回ダウンしそうな場面があった」と試合内容を評価した。

   国内でもさまざまな声があがっている。21日朝の情報番組「サンデーモーニング」(TBS系)では、野球解説者の張本勲氏が村田の判定負けに言及した。

「村田のセコンドの勘違いだと思った。セコンドは『勝った、これはもらったから無理するな』というようなことを言ったらしい。後半から全然攻めず、防戦一方だった」

   また、デイリースポーツによると、元WBC世界バンダム級王者の長谷川穂積氏は

「勝負に勝ち、試合にも勝ったと思う。ただ、WBAの『 特別採点ルール』に負けた」
「極端に言えば、距離をとりながらシャドーをしていても勝つことがあるということだ。これは他3団体と違う」

と述べた。

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