2024年 4月 26日 (金)

菅官房長官が安倍演説を擁護 「こんな人たち」発言は「常識的」なのか

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   自民党が惨敗した東京都議選(2017年7月2日投開票)で、安倍晋三首相が唯一街頭演説に立って話した内容が波紋を広げている。聴衆の「帰れ!」コールに安倍氏は「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない」と声を荒らげて反論したのだ。

   東京新聞の記者は菅義偉官房長官の会見で、安倍氏の発言を「有権者をある意味、軽視している」と非難。菅氏は、発言に問題は「全くない」上、「きわめて常識的」だと主張している。

  • 菅義偉官房長官は安倍晋三首相の発言が「きわめて常識的」だと主張した(2017年5月撮影)
    菅義偉官房長官は安倍晋三首相の発言が「きわめて常識的」だと主張した(2017年5月撮影)
  • 菅義偉官房長官は安倍晋三首相の発言が「きわめて常識的」だと主張した(2017年5月撮影)

「帰れ!」「安倍辞めろ!」の怒号

   安倍氏は都議選の投票日を前日に控えた7月1日夕方、秋葉原駅前で応援演説に立ったが、聴衆からは「帰れ!」「安倍辞めろ!」の怒号が止まなかった。これに対して安倍氏は怒号が聞こえる方向を選挙カーの上から指さしながら、

「皆さん、あのように、人の主張の、訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしません!私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたいんです!憎悪からは、何も生まれない。相手を誹謗中傷したって、皆さん、何も生まれないんです。こんな人たちに、皆さん、私たちは負けるわけにはいかない!都政を任せるわけにはいかないじゃありませんか!」

などと声を張り上げて反論した。

   この安倍首相の反論をめぐっては、朝日新聞が7月3日の社説で

「首相にすれば、ごく一部の批判派による妨害だと考えたのだろう。だが都議選の結果は、首相の政権運営に対する『NO』の声は、決して一部にとどまらない現実を物語る」

と論評。毎日新聞は7月4日朝刊で「首相 聴衆にまで激高」の見出しで発言を報じた。その中で、「首相が街頭演説で有権者に声を荒らげるのは異例」と、発言の特異さを指摘しながら、発言を批判する識者の談話を紹介している。

東京新聞記者「有権者をある意味軽視しているかのような発言だとも思える」

   発言は、7月3日午後に行われた官房長官会見でも問題視された。東京新聞記者の

「有権者をある意味軽視しているかのような発言だとも思える。このような発言自体に問題があると思わないか」

という質問に対して、菅氏は

「全くあると思わない」

と主張。その理由を求められても、

「ないからです。発言は自由です」

と突き放した。

菅氏は「民主主義国家ですから」繰り返す

   「発言は自由」の意味を問われると、菅氏は

「選挙応援は自由じゃないですか。当然そうでしょう?民主主義国家ですから」
「民主主義国家ですから、そこの許容の範囲はあるでしょうし、総理はきわめて常識的な発言ではないですか?それこそ、そうした発言を縛ること自体あり得ないと思う」

と主張した。

   これに対して、東京新聞記者が興奮した様子で

「『きわめて常識的な発言だ』と。つまり、有権者である国民の声が出ているけど、このような人には負けない、と言うこと自体は、民主主義国家なのだから、首相が言うのはきわめて常識的な発言だと、そういう理解でいいか」

と念を押すと、菅氏は

「人の発言を妨害するようなことだったのではないか。ですから総理としては、そういう発言をしたのではないか。ですから、そういう人たちも含めて日本は民主国家ですから、そういう中で発言をしたわけだ」

と答えた。翌7月4日の記者会見でも同様のやり取りが展開され、菅氏は

「選挙というのは、まさに民主主義国家の原点。ですから総理がそこに選挙で政策を訴えようとしているときに妨害的行為があったことは事実ではないか。私はきわめて残念だったと思いますよ?」

などと安倍氏の発言に問題はなかったとの主張を改めて展開。演説の動画を確認したところ

「『安倍、菅、監獄へ』という、大きな(掲示)物もあった」

として、聴衆の主張を問題視した。

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