2024年 4月 20日 (土)

「子どもが溺れる時は静か」 ツイッターで話題、小児科医に聞いた

水遊びしているはずが「静か」になったら要注意

   別の30代女性は、娘が1~2歳の頃、入浴中に「教えて!ドクター」のイラストと同様の状態になったと話す。ほんの1秒程度だったが、「目を見開いて沈んでいく感じ。今でもぞっとします」という。当時は東日本大震災の直後で、緊急時に備えて浴槽に水をためるよう推奨されていたが、子どもが浴室に入り込み、浴槽に落ちて溺れる可能性を聞いていたため「子どもが小さいときは、お風呂が終わったら必ずお湯は抜いていました」。

   2人の母親のケースではいずれも、ごくわずかな時間で子を助け出し、大事には至らなかった。坂本医師は、「水中での時間が5分を超えると、脳に後遺症を残す可能性が高くなるといわれています」として、溺れた場合の正しい処置を紹介した。引き上げた後に(1)平らな場所に寝かせて、(2)意識があるかを確認し、(3)意識がなければ人を呼んだうえで(救急車連絡なども)、(4)絶え間なく心臓マッサージと人工呼吸を行う、との手順だ。なお溺水の場合、固形物を飲みこんだ際の救急処置である「ハイムリック法」(患者の背中側から抱きかかえ、両腕でお腹に手をまわして圧迫する)は、かえって誤嚥を誘発するため危険だと指摘した。

   入浴時以外にもプール遊びや海水浴と、子どもが水に触れる機会は多い。坂本医師が注意を促すのが、乳児用浮き輪の使用だ。「親が目を離したすきに浮輪の不具合で溺水してしまう事故がいくつか起きています」として、小児科医としては勧めないとした。

   最後に、「『本能的溺水反応』は小さな乳幼児だけに当てはまるものではありません」と再度、強調した。小中学生でも、大人ですらその危険はある。そこで、子どもが元気に水遊びをしている最中は音が出ているはずで、静かになっていたら「何かが起きているかもしれない」と用心するとよいとアドバイスした。

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