2024年 4月 23日 (火)

前原代表に「辞任を」「暴走」「虚偽にだまされた」 民進参院議員から恨み節

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   前原誠司代表の判断で民進党が分裂し、合流先だったはずの希望の党が惨敗したことの責任を問う声が党内から本格的にあがり始めた。

   2017年10月24日に開かれた参院議員総会では前原氏に対する批判が噴出。翌25日に東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した小西洋之参院議員も、9月28日の両院議員総会で希望への事実上の合流を提案した前原氏の説明は「虚偽」だと断じ、次の首相(首班)指名選挙までに「辞任してもらわなければ困る」とした。小西氏は、安保法制を容認する希望の党の公約は憲法違反だとも主張。前原氏は民進党に交付された政党交付金は「党に残すべき」だとしているが、仮にそれが守られずに希望に持ち出されれば「刑事告発することも辞さない」とした。

  • 記者会見する民進党の小西洋之参院議員
    記者会見する民進党の小西洋之参院議員
  • 9月28日の両院議員総会での説明は「虚偽」だったのか
    9月28日の両院議員総会での説明は「虚偽」だったのか
  • 記者会見する民進党の小西洋之参院議員
  • 9月28日の両院議員総会での説明は「虚偽」だったのか

「今、前原代表が代表でいることがおかしい」

   民進党は10月27日にも両院議員総会を開き、首相指名を含めた今後の対応を協議する。小西氏は次のように話し、首相指名選挙が予定される臨時国会開会(11月1日)までに新代表を選出すべきだとした。

「首班指名、11月1日までに前原代表は辞任してもらわなければ困る」
「前原代表は党規違反、党のルールに反してああいう暴走をしているので、今、前原代表が代表でいることがおかしい」
「そこで前原代表が辞めていただいて、新しい代表を選んで、その方を首班指名というのが筋。そのことを目指したい」

   小西氏は総務省出身で、政党交付金に関する業務を担当していたこともある。民進党には100億円以上の資金があるとみられており、小西氏も

「数十億円規模の政党交付金を民進党が持っているのは事実」

と明かす。小西氏は希望が安保法制を容認していることを理由に、民進を解散・分割して政党交付金を希望に移す行為は(1)民進党の綱領(2)政党助成法の趣旨(3)日本国憲法に違反するため「認められない」としており、仮に前原氏が強引に民進党の政党交付金を希望の党に持っていこうとする場合、小西氏は

「私はあらゆる政治的手段を使ってそれを阻止するとともに、政党助成法違反で前原代表を刑事告発することも辞さない」

とした。前原氏は10月25日に都内で行った講演で、民進党を存続させた上で政党交付金も「党内に残すべき」だとした。今後もこの方針が維持されるか注目されそうだ。

「希望」候補者への1500万円との整合性は?

   ただ、民進党の政党交付金の一部は、すでに希望側に渡っている。衆院選で希望から立候補した民進党出身者には、1人あたり1500万円が支払われており、小西氏もこの決定に役員室次長として関与していた。小西氏は、この支出は

「安倍政権を倒すために希望の党という器を使う」

という民進党の活動の一環だったとして、9月28日の両院議員総会の時点では違法とまで言えないとして理解を求めた。

   ただ、その後の小池百合子氏の「排除いたします」発言で、この前提が崩れたと見ており、前原氏の「虚偽」にだまされる形で1500万円の支出に関与したことを陳謝した。

「その段階で希望の党の活動のため、特に希望の党から立候補するための供託金に民進党の政党交付金を使うことは、政党助成法違反になるということは、(候補者に)頑張って伝えていた」
「前原代表の9月28日の説明は虚偽であり、その虚偽にだまされて、政党交付金のこうした配分に携わったことは、ひとりの国会議員として私に政治責任はあると考えている。それは国民の皆さんに大変申し訳ないことだと思う」

民進党解散・分割→立憲民主への移動は許容

   小西氏は、今後も民進党で活動するか、立憲民主党に合流するか態度を明らかにしていない。ただ、希望の党とは異なり、民進党を解散・分割すれば立憲民主への政党助成金の移動は許容されるとの見方を示した。

「(民進党は)立憲民主党とは別の政党なので、今、民進党が持っている政党交付金を使うことはできない。ただ、民進党を分割して、例えば私などが立憲民主党に移る場合に、立憲民主党に政党交付金を持っていくことは、民進党の綱領や日本国憲法や政党助成法には反しないということは言えると思う」
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