2024年 4月 20日 (土)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち 銃規制支持は「社会主義者」という感覚

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「銃があるから、アメリカは自由な国なのだ」

   全米ライフル協会(NRA=National Rifle Association)も、今回のフロリダ州の高校銃乱射事件を受けて、「銃規制支持者は欧州的な社会主義者であり、我々から自由を奪っている」と批判している。一方、銃規制支持者は「社会主義者」と決めつけられることに反発し、「銃所持の言い訳に過ぎない」、「銃で多くの命が奪われるくらいなら、憲法を書き換えればいいではないか」と批判している。

   クリスは長年、全米ライフル協会の会員だったが、10年ほど前に寄付をやめた。

「学校などで銃乱射事件が何度も起きているというのに、NRAが銃規制に動こうとしないからだ。一般人へのアサルト銃の購入禁止、銃購入の最低年齢の引き上げ、身元調査の徹底などに向けてNRAが柔軟な態度を見せたら、また支持したいと思っているよ。NRAは銃を保有する権利を守るために、闘ってきたのだから。
今、高校生たちが全米規模で、銃規制に向けて立ち上がっている。こんな大きな動きは、これまでなかった。諦めずに声を上げ続けて、状況を打破してほしいと思う。でも、銃規制はしても、私たちから銃を取り上げることは、決してあってはならない。アメリカは、日本とは国の成り立ちが違う。アメリカ人は銃を手に、東から西へと開拓していった。銃は最初からこの国に存在していたんだ。銃があるから、アメリカは自由な国なのだ。銃があるからこそ、アメリカは偉大な国になったのだ。トランプは私たちから、銃を取り上げたりはしないよ」

(敬称略。随時掲載)


++ 岡田光世プロフィール
おかだ・みつよ 作家・エッセイスト
東京都出身。青山学院大卒、ニューヨーク大学大学院修士号取得。日本の大手新聞社のアメリカ現地紙記者を経て、日本と米国を行き来しながら、米国市民の日常と哀歓を描いている。米中西部で暮らした経験もある。文春文庫のエッセイ「ニューヨークの魔法」シリーズは2007年の第1弾から累計37万部を超え、2017年12月5日にシリーズ第8弾となる「ニューヨークの魔法のかかり方」が刊行された。著書はほかに「アメリカの家族」「ニューヨーク日本人教育事情」(ともに岩波新書)などがある。


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