2018年 10月 23日 (火)

スバル、23年ぶり民間ヘリ 共同開発で再参入の「狙い」

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   SUBARU(スバル)が米国ベル・ヘリコプター・テキストロン社と共同開発した民間ヘリコプターを世界各国で発売することになった。スバルが新開発の民間ヘリを発売するのは1995年以来、23年ぶりという。発売するのは「SUBARU BELL 412EPX」で、試作機がカナダのベル社の施設で飛行試験を重ね、2018年7月5日に米国連邦航空局から量産に必要な型式証明を取得した。

   スバルの民間向け最新型ヘリコプターは、スバルが陸上自衛隊向けに開発中の新多用途ヘリコプター(UH-X)がベースとなっている。民間ヘリとしては、ベル社の「412型機」の後継に当たり、今回はスバルとベル社の共同開発となる。スバルは412EPX の生産や販売でベル社と協力し、世界で150機以上の販売を目指すという。スバルとベル社は、英国で7月に開かれた「ファンボロー国際航空ショー」で412EPXの模型を出展し、話題を呼んだ。

  • 「SUBARU BELL 412EPX」(スバルのプレスリリースより)
    「SUBARU BELL 412EPX」(スバルのプレスリリースより)

陸自の多用途ヘリの民間転用機

   スバルは陸自の多用途ヘリ「UH-1J」の後継機となる新多用途ヘリコプター(UH-X)の開発を2015年に防衛省から請け負っており、412EPXはUH-Xの民間転用機となる。UH-Xは22年から陸自向けに納入が予定されており、「日本の複雑で狭隘な地形でも人命救助を可能とする。離島防衛や災害救助に活躍が期待される」という。

   スバルとベル社は戦後、ヘリコプターの開発や日本国内の販売で協力関係にある。ベル社の社長兼CEOのミッチ・スナイダー氏は「60年前に陸自に最初にヘリコプターを納入して以来、ベルとスバルは長年のパートナーであり、陸自向け新多用途ヘリと民間向け最新型ヘリでも、この素晴らしい関係が継続、発展することを期待している」とコメント。スバルの航空宇宙カンパニープレジデントの戸塚正一郎氏は「ベル社と協力のもと、412EPXで当社の民間機ビジネスを大いに発展させていきたい」と話している。

   スバルは戦前の名門航空機メーカー「中島飛行機」が前身だ。1960年代から70年代にかけては単発プロペラ軽飛行機「富士FA200」(エアロスバル)や双発プロペラビジネス機「富士ロックウェルFA300」など高性能な民間機を開発・販売した。

「存在感のある航空機メーカーへの発展を目指す」

   中島飛行機は第2次世界大戦中に「隼」や「ゼロ戦」(ライセンス生産)などの戦闘機を手がけた名門メーカーで、その流れをくむエアロスバルはアクロバット飛行をこなす高度な飛行性能が国内外で評価された。しかし、自家用飛行機としての需要は限られて高収益に結びつかず、FA300もビジネス需要を取り込めず、期待通りの成果を得られなかった。

   その後、スバルはボーイング767、777、787の国際共同開発に参画しているほか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と「無人超音速試験機」の開発を行なうなど、日本の航空宇宙産業の一翼を担うが、ホンダが自社で小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」を開発・販売したのと比較すると、航空機メーカーとしての存在感を示せていないのは否めない事実だ。

   その意味で、スバルが久しぶりに民間向けにヘリコプターを開発・販売する意義は大きい。スバルは「これまで培ってきた独創的で先進的な技術のもと、新たな価値を創造し続けることで、世界的に存在感のある航空機メーカーへの発展を目指す」(航空宇宙カンパニー)という。実際に民間ヘリ(412EPX)が各国市場で発売されれば、スバルは久しぶりの民間機として、ホンダのようにテレビCMなどに活用するかもしれない。 民間機への再参入がスバルにどんな変化をもたらすか注目される。

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