「沖縄では民意尊重しろの大絶賛」なのに... 大阪「クロス選」批判に市長ら反論

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   大阪府の松井一郎知事(大阪維新の会代表)と大阪市の吉村洋文市長(維新政調会長)が近いうちに辞職し、ポストを入れ替えて立候補する「クロス選」が確実な情勢になってきた。大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」をめぐる住民投票実施を行うための公明党の協力が得られず、直接民意を問うことにした。

   こういった「奇手」には与野党から「党利党略」だとする批判が相次ぐが、両氏はツイッターなどで次々に反論。空中戦も活発化している。

  • 大阪府の松井一郎知事(大阪維新の会代表、右)と大阪市の吉村洋文市長(維新政調会長、左)
    大阪府の松井一郎知事(大阪維新の会代表、右)と大阪市の吉村洋文市長(維新政調会長、左)
  • 大阪府の松井一郎知事(大阪維新の会代表、右)と大阪市の吉村洋文市長(維新政調会長、左)

2015年の「ダブル選」で都構想「再挑戦」を掲げて圧勝

   都構想をめぐって2015年5月に行われた住民投票では、賛成69万4844票に対して反対70万5585票で、反対がわずかに上回った。だが、15年11月の大阪府知事・大阪市長のダブル選では、都構想への「再挑戦」を掲げた松井、吉村両氏が圧勝。これを根拠に、2人は改めて住民投票を行うことを目指している。住民投票のためには府・市両議会での議決が必要だが、大阪維新の会は両議会で過半数を持っておらず、公明党の協力が必要だ。だが、公明党は協力には否定的だ。そこで打開策として浮上したのが「クロス選」だ。松井、吉村両氏の任期はそれぞれ19年11月と12月。単なる出直し選を行った場合は、任期満了で改めて選挙を行う必要があるが、クロス選なら新たに4年の任期を得ることができる。

   松井氏は3月3日に行われた維新主催のタウンミーティングで、都構想を話し合う3月7日の法定協議会で交渉が決裂すれば、クロス選に臨む考えを表明。決裂する可能性はきわめて高い情勢で、両氏は3月8日にもそろって辞職を表明するとみられている。

共産・志位氏は「大阪での訴え」だと断った上で...

   こういった一連の動きに、自民党の二階俊博幹事長、立憲民主党の枝野幸男代表、共産党の志位和夫委員長らは、そろって「党利党略」だと非難。とりわけ二階氏は「いささか思い上がっている」(3月4日)とまで述べた。一方、松井氏は3月5日の会見で、

「その(15年のダブル選の)選挙結果を無視して野合・談合するほうが住民を無視している。それこそ思い上がりだと思う」

と反発。こういった応酬はネット上でも展開されている。

   2月25日には、志位氏が「大阪での訴え」だと断った上で、クロス選について

「強行するなら、共産党は、『都構想』阻止、『カジノストップ』という大義の旗を掲げ、保守の方々を含む府民の共闘で迎え撃ち、『維新政治』に終止符を打つために全力をあげる」

と主張。すぐさま2人は

「志位さん、保守の方々なんて持って回った言い方せずに、前回同様大阪自民党と組んで、議員の身分を守る為全力をあげる。ってはっきり仰った方がわかりやすいですよ」(松井氏)
「全国の皆さん 、大阪では共産党が『保守の方々』に堂々と共闘を呼びかける政治が展開されています。こんなん、あります?共産党は自民党と国会ではケンカしてるのに、大阪に来たらこうです」(吉村氏)

と反論した。松井氏が記者会見で述べた「野合・談合」は、こういった「『保守の方々』との共闘」を念頭に置いている。

「世間の常識とかけ離れた感覚を持ってられますね」

   それ以外にも、クロス選を批判する毎日新聞の社説に対して、吉村氏は

「選挙公約の『大阪都構想の再挑戦』がどうしても超えられない議会の壁にぶち当たった時、最後の手段として、市民府民の皆さんに首を預け、信を問うことがどうして背信なんだ。沖縄では民意を尊重しろの大絶賛じゃないか。綺麗事じゃなく超えられない壁の超えかた教えてくれよ」

と反発。松井氏は、クロス選について「プーチンを思い出す」「都構想実現のためとはいえ、大阪もロシアのように何でもあれか(本文ママ)」などとツイートした舛添要一・前東京都知事に対して、皮肉たっぷりに反論した。

「流石に都知事失格とご自身で出版されるだけあって、世間の常識とかけ離れた感覚を持ってられますね。知事3選を憲法で禁止されている訳ではないので、権力を維持したいなら任期8ヶ月を残して、政治資金のセコイ問題も無い中で辞職いたしません(略)」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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