2024年 4月 25日 (木)

湘南戦「大誤審」に見たJリーグ審判の弱点 サッカーライターに聞く「原因と解決策」

「柔軟なテクノロジーの運用を認めるべきではないか」

   3つ目の、ゴール横に追加副審を置く「AAR」は「人件費が2人分増えるだけで、それ以外に大きな負担はありません。副審とは違い、AARは真横の近い距離から見られるので、判定精度は上がります」と導入のしやすさを認める一方、「ただし、最終的に人の目でジャッジすることは変わらないので、ミスはゼロにはならないでしょう」と、精度向上については上記2つよりは限定的であるという。

   こうした3つの制度の特徴を踏まえ、清水氏は今後について「もし一刻も早く改善を、ということであれば、GLTかAARでしょうか。ただ、今の状況でトレーニングすれば、VARも来季から導入できるでしょう。GLTの短期レンタル、なんて落とし所があるなら、検討できるかもしれませんが」と話している。

   その上で清水氏が提案するのは、これらを導入する・しないの二者択一だけではなく、その「間」とも言える選択肢を持つことだという。

「私見では、もう少しIFABが柔軟なテクノロジーの運用を認めるべきではないかと考えています。たとえば、ゴール判定だけを行う『簡易VAR』として導入する、などです。各国サッカー協会によって、予算事情や考え方は違うので、カスタマイズした導入ができればいいのですが、そうしたアイデアは、IFABの承認を受ける必要があります。

ルールを無視して勝手にやってしまえば、日本はW杯などの国際大会に出場出来なくなるでしょう。サッカーのルールは国際的にコントロールされ、息苦しく感じるところもありますが、そのおかげで育成システムが他のスポーツに対して相対的に優れた面を持っているなど、国際化の良い面もたくさんあります。ただし、それに対して受け身になるだけでなく、さまざまなアプローチを試みてもいいと思います」

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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